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 2008/04/30(水) 「comic1☆2 オススメ本(その2)」

「その1」と書いたからには「その2」も当然あるものだと、自分にプレッシャーをかけずぎる性分は程々にしておくべきかと…

■マリみて
・美術部 「細川可南子がみてる 特別でない可南子の一日」
マーガレットにリボンのネタを中心に繰り広げられる可南子中心マリみてワールドも17作目です。これだけ長くシリーズが続いているのは、創作意欲を刺激して止まない原作の燃料補給と、そのお題に全力で「if」で応える同人作家と同人読者という構図の中で、原作に出番があろうとなかろうと我が道を往くカナみてが支持され続けているという事実は、マリみて同人の面白さを語る上で欠かせない存在です。予想が当たるか外れるかではなく、好きな人の笑顔を想像すること・幸せであれと願いを掛けてみること。出番が無かったからこそファンとしての素直な「hope」に満ちた今作は、私にとってはカナみてシリーズの中で2番目に好きな作品になりました。

・ティンクルスター 「179.3cmライフ」
ここしばらくシリアス良い子の可南子本が続いていましたが、全編が四角目可南子のエピソードで構成される179.xシリーズで、ティンクルスターさんのもうひとつの顔:芸人魂の本領発揮です!今回は男性の柏木さんが対戦(?)相手とあって、いつも以上に容赦のない大暴れっぷりを発揮してくれています。四角目可南子の芸風スイッチを入れて「キラキラまわる」を見てみるとこうなるのか!…といつもながら新鮮さを失わないパロディ精神に感服しました。成熟した安定ジャンルというイメージのあるマリみて同人ですが、実はそれは作家諸氏が自分の世界観にチャレンジし続けているから成立するものだと思います。芸人は永遠の若手なのですから!

■なのは
・ryu-minBS 「Lyrical Magic すとらいかーず 3rd Holiday」
スバルが寝起きの悪いティアナに出来心で装着させてしまったネコミミをめぐって、ティアにゃのネコミミに突っ込みたくても突っ込めない「ティアにゃランスター」編は、ryu-minさんの作風としてはかなり長めのお話ですが、多くのキャラが絡む見せ方がStrikerSを題材にしたパロディならではの面白さをよく再現できていると思います。突っ込み役が少し目を離すと、各々が勝手なマニアな思考を始めるのは仕様です。キャロがFFマニアなのも、ヴィータが相変わらず腹を下すまでアイス(戦友)と格闘するのも、ギン姉の重度の妹(スバル)かわいがりも、すべて仕様です。物語をなぞるのも工夫次第ではここまで面白くなるんですね。

■らきすた
・ゆ〜のす通信 「アトのまつり!」
ゆ〜のす通信さんのらきすた本と言えば「かがみんシリーズ」ですが、今回のお題は柊4姉妹(とその母)のドタバタホームコメディです。原作ではつかさ以外は性格面での露出が極めて少ない(というか無い)柊家の面々をフリーダムに妄想&捏造。暴走シスコンエロ姉貴って…でも、こういう思い切った(ネジが何本もぶっ飛んだ)パロディはアンソロでは絶対に描けない同人の醍醐味ですね。コンプエースで商業誌デビューも決定した、ゆ〜のすさんのますますの活躍を陰ながら応援いたします!(悩みすぎて石を精製しないように「命を大事に」で)

ミニレビューもいいけど本編の原稿も書きやがれ!…と進行人格が噴火しそうなので、「その3」があるかどうかは微妙です。あ、でも、オススメのなのフェ本は紹介しておきたいなぁ…

 2008/04/28(月) 「comic1☆2 オススメ本(その1)」

comic1☆2で買い込んだ本の中で、特にオススメ作品をまるっと駆け足でご紹介。時間とお財布の都合上いくつか書店補完に回したものもあるので完全版というわけではありませんが、この中のいくつかは追加レビューの対象になる…かも。

■なのは
・ぱるくす 「PN6」「PN7」
まさかの2週連続オフセット発行!6ではナチュラルに危険分子を排除しようと考えるフェイトをなだめすかそうと気苦労の絶えないエイミィさんシリーズ(長っ!)の隠れファンとして今回の立ち位置は面白かったし、7はなのフェ分が不足していた頃に突発的に描いた話から生まれたものであり、もう諦めるしかないくらい末期でラブラブななのフェ愛に満ち溢れています。読んでる方が恥ずかしいほどプラトニックなキャラ愛に万歳!

・不可思議 「ゆの×くろ」
不可思議さんが描いていた「腐女子はやて」シリーズに登場していた、ゆの×くろ本を完全再現。「はやての本を不可思議さんのサークルに本を委託する」という設定で、値段POPにも「委託」と書く徹底した演出が面白い。中身はど直球のBL。腐女子はやての前知識がない身内にこの本が自分の部屋にあるのを見られたら、すわっ何事かと変な目で見られるかも?

・まじっく・すくえあ 「レイジングハートさんA's」
レイジングハートさんシリーズも5作目。カラー表紙全盛時代に2色刷りのシンプルな味わいはかえって貴重かも。今回はA'sの名シーンを一気に振り返りつつ、レイハさんのネームの多い知的なロジック解釈ツッコミが炸裂しています。無印とA'sとをつなぐ数々の作品を予備知識として語りたくなる下りは、なのはファンなら誰もがが頷くことでしょう。

■ひだまりスケッチ
・うつらうららか 「ひだまりわはー」
えれっとさんのわはーな作風は「ひだまりスケッチ」とよく合うと前々から思っていましたが、やはりこれはイイものでした。原作では名前だけは頻出のコンビニ「ベリマ」。しかしお店の直接的な描写はほとんどなく、今作に登場する店長さんも想像で描かれたものでしたが、両作品には絵柄以上に作風や着眼点や空気感も何か通じるものがあります。

■コードギアス
・美彩'd 「ここではお姉ちゃんと呼べ 実の姉弟であればこそけじめが必要だ」
きららで連載している姉萌え変態漫画(褒め言葉)のノリそのままに、コーネリア皇女殿下(28)に姉萌えでハアハアするルルーシュの変態っぷりが痛快です(くどいようですが褒め言葉)。コピ本代わりの8P折り本なので書店委託があるかどうかは微妙ですが、そのうち続きも描かれるそうなので、お姉ちゃん好きは期待して待ちましょう!

その2は明日の日記で

 2008/04/27(日) 「comic1☆2 レポート」

本日は東京ビッグサイトで開催された、同人誌即売会comic1☆2に一般参加してきました。レヴォのスタッフを中心にして春の後継イベントとして新規開催された昨年は4/29の祝日開催ということもあり、私は業務上の都合上参加できませんでしたが、方々でのレポートによると、超大手サークルさんの参加効果もあって凄まじい賑わいで男性向けイベントならではの活気があったそうですが、今回は果たして?

AM7:40、国際展示場駅でマイミクさんと待ち合わせ。駅を降りてあまりの寒さにホットドリンクを調達。もう5月も間近…なんだけどなぁ。列の方はというと…マックの十字路のさらに駅側まで最後尾が延びていました。しばらく大イベントからは遠ざかっていた(サンクリも大抵手薄なBホールが初手攻略になることが多かった)ので、長大な列を眺めて改めて同人文化の巨大さを再認識しました。列が確定したのは、やぐら橋を渡り切って「ようこそビッグサイトへ」の看板のある広場のあたり。他のイベントも開催されていることもあって、広場の半面だけの使用でしたが、それでも広場を埋め尽くす人の数は算出不能なほどみっちり。雨は小雨程度で8時過ぎには止みましたが、濡れた路面が乾くほどでもなく、立ちっ放しの人が多かったこともあり、いつも以上に列の密度が高かったのかも。

10時前くらいにトレイを済ませるついでに最後尾がどこまで延びているか見てみたら、列を圧縮した状態でも、マックの十字路あたりまで半面が埋め尽くされていました。おそらく、東西連絡通路にも人が埋まっていたであろうことから推計するに、軽く見積もって2万5000人くらいはいたかも。ちなみに、comic1のサークルチケットは1サークル2枚だったとのこと。この規模のイベントでは非常に珍しいパターンですが、それでも、中の人だけで+5000人と考えると、東6ホールと西2ホールを全部使って18万人(3日目のみ)のコミケと比較すると、いかに凄まじい密度の開催かよく分かるかもしれません。※これらの数字はすべて目測であり正確性を期すものではありません。

そんなこんなで10時30分の開場時間を迎えたわけですが…列がまったく動きません。ちょっと動いては止まるを無数に繰り返しながら、やっとこさ会場入り口に到着したのは10時55分。実に25分ものタイムロスを喫してしまいました。その主要因だったと思われるのは、4列固定のまま誘導をせざるを得なかったことです。2基4列編成のエスカーレーターでは時間当たりの処理能力に限界がある。せめて対面の東4側のエスカレーターが使えれば状況は違ったかもしれないが、他のイベントとの兼ね合いでそれはできなかったし、階段との併用は殺気立った徹夜・始発組を誘導するには安全上のリスクが高すぎる。ナンボほど徹夜・始発組がいたのか?それは、このエスカレーター体制で運べる人数を時間計算してみると推算できるかもしれません。めんどいので私はしませんけど。

話を戻して入場後の様子などを。25分の出遅れは正直痛い。難易度の高いコピー本ミッションは全滅も覚悟していましたが、マイミクさんと難易度の高い初手攻略ミッションの分担協議が事前にできていたおかげで、これほどの出遅れがあったにも関わらず、ミッション成功率は…99%!と、この規模ではありえない数字を記録できました。おそらく私の身体ひとつでは相当な数をカバーし切れなかったことでしょう。多謝!(ちなみに、果たせなかった1%は本ではなく、先着配布ラミカの3択でお目当てのカードに間に合わなかったことです。後でお話したときに聞いた配布状況でのあまりの瞬殺っぷりに、みんな「なのフェ」のカップリングが大好きなんだと改めて実感。どんな大手さんもそっちのけで、なのフェのラミカに走った同胞たちに乾杯!)

この日の初期事前チェックサークルは97。その後の情報収集活動でスーパーカスタムした結果47まで絞り込みましたが、物理的な距離だけは埋めようがない。なのは系の「な」ブロックと、マリみて系の「け」ブロック、そして外周大手さんの「あ」と一部の「に」ブロックは、ちょうど端・中間・端という配置であり同時攻略など不可能。ある意味では憎らしいほど効果的に人を散らせる練り込まれた配置とも言えます。今回は幸運にもマリみてとなのはを分担同時攻略できましたが、単独ミッションを遂行する側からすると悩ましいことこの上ない配置ですね…普段のコミケなら壁配置のサークルさんがお誕生席どころか島中に配置されていたりと、配置図を眺めているだけでも不安いっぱいでしたが、私が見た限りでは、実際には熟練スタッフさんの的確な対応で大きな混乱はありませんでした。私が唯一外周に並んだ「apricot+」さんのところでは、女性スタッフの仕切りが素晴らしかった。列途中札を持って奮闘していた女子高生…ではなく蒼樹うめ先生、似合いすぎです。お隣のMATSUDA98先生は女性だったんですね。二度ビックリ。

コミケよりも島中のサークルスペースが広く、島間の通路幅も広かったものの、そこかしこに列が作られていたし、そもそも参加者の絶対数が多いので移動には一苦労でした。柱脇や壁際に座り込んでいる人の姿が目立ったし、ちょうど出入り口付近の配置だったサークルさんから聞いた話では、ちょうど開場ダッシュを目の当たりにして、その殺気はおもわず引いてしまうくらいだったとか…活気があることは大変結構なことですが、それはマナーよりも優先されるものではないと思うのですが…「同人に活気を取り戻すこと」はそのためには何をしてもいいという免罪符にはならない。次につながるものでなければ意味がない。それが必要だと認めさせられるものでなければ意味がないのですから…

買い物を終えてまったりしたころで、「カナトウロード」にお邪魔してマリみて系のお知り合いにご挨拶。可南子と瞳子のサークルカット並びだけではなく、共通の飾りつけポスターも作って擬似ミニイベント風に仕上がっていました。さすが仕事が細かい。それに、不思議とここだけ他の殺伐とした空気とは違うような気がしました。ひとしきりご挨拶をしていたところ、マイミクさんにお稲荷さんと巻き寿司をご馳走になりました。疲れていたところに酢が強めの味付けが丁度良かったです。大変美味しゅうございました。その他にも、商業誌デビューの決まった作家さんへのお祝いに駆けつけたり、関西在住のマイミクさんと久しぶりに会えたりとか…求心力のある大規模イベントだからこその楽しみもあるイベントでした。コミケに行けない私にとっては、comic1が春のコミケとして成長してることはとても嬉しいことです。ただし、その割をくう形になったサンクリは、来年から開催日戦略について再考する必要があるのかも知れません。ちなみに、見本誌読書コーナーは午後1時の段階でまったく本が並べてありませんでした。その後どのような運用がなされたのかは、仕事の都合で2時過ぎには早上がりしてしまったので確認していません。見本誌の図書館寄贈については私も同人に関わる者として思うところがありますが、イベントレポートには書ききれないので、これはまた後日に。


この日の収穫は68冊でした。ミッションを簡略化するために相当な数を絞ったことと、立ちっ放しの待機列と混雑の中での最大戦速移動で疲労が激しかったこと、ジャンルが飛び地になっていて絨毯爆撃がしにくいということもあり、新規開拓はまったくできませんでしたが、それでもオフセット率80%以上という充実っぷりはコミケ並のクオリティがありました。気になる本は後日ご紹介させていただきますね。この中のうち何本かがGM研通信vol.6に収録するレビューの最終候補になるかも?

 2008/04/24(木) 「93/166」

GM研通信vol.6に収録する同人誌レビュー「Bright Family Planning(芝刈組)」を新たに1本書き上げました。これで、全166本のうち93本が完成しました。進捗率は56.0%。レビュー原稿の執筆は3/10以来のことであり、実に一ヶ月半近くも書けない状態が続いていました。度重なる体調不良と苛烈を極める仕事の日々と、想いの強さに追いつけない我が身の未熟さを呪うばかりの日々の中で、いつしか私は原稿に向かうことを避けるようになっていました。これが最後になるかも知れないという覚悟があるがゆえに、この本にあまりにも多くのものを託そうとしてしまったのでしょう。

しかし、それはとんでもない思い上がりだと気づくことができました。この本の内容に対して評価を下すのは読者であって私ではないし、たかが8年、たかが蔵書1万2000冊の同人キャリアで、同人の森羅万象を知り尽くし悟りの境地に至った気になっているとは、片腹痛いわ!!未来に何かを託そうと言うのであれば、残すべきは思想家として潔く散る遺言ではなく、恥辱にまみれても先駆者として道を切り開き続けることではないか?この本が言わんとするのは作品の評論ではない。臨界点を突破した想いの果てに世界が存在することを、創作における「公(おおやけ)」の精神が在るべきなのだと伝えるためのキッカケでしかないのですから…

「天籟(てんらい)の書」の完成まで、残された時間はあと3ヶ月…
はじめようをはじめるために、今までの自分を終わらせる勇気を!

 2008/04/22(火) 「名古屋旅行記 Ciao Sorella!」

4/19(土)は名古屋の星野書店で開催された、マリア様がみてる公式新刊「マーガレットにリボン」のサイン会に参加するついでに、マイミクさん達と一緒に名古屋港にあるイタリア村にも行ってきました。※デジカメを充電器にセットしたまま忘れてきてしまったので、せっかくの旅行記ですがテキストオンリーでお送りいたします。

朝10時の星野書店の開店に合うように新幹線で名古屋入り。年に2回あるかどうかの新幹線移動ですが、大阪や京都に比べれば名古屋は近く感じます。この日はマイミクさんとアニメあれこれ話をずっとしていたので、なおさらあっという間でしたね。N700系には初めて乗りましたが、座り心地や震動とか細かい所で改善されていることを実感。サイン会の整理券は電話予約していましたが、整理券番号を先に知っていた方が時間的な予想がしやすいので、先に本を買ってからイタリア村入りすることに。難易度が高いと言われる名古屋の地下街で迷うこともなく、地下鉄を乗り継いで名古屋港へ。旅行慣れしている同行者がいる頼もしさを実感。

10時45分にはイタリア村に到着。オープン3周年を迎えるイタリア村ですが、事前情報では今年に入って様々な問題が持ち上がったり負債が100億を超えていたり…と先行きが危ぶまれている状況だっただけに、このタイミングでこの地に来れたのはマリア様のお導き、ということにしておきましょう。ちなみに、このチョイスはマリみての修学旅行先がイタリアだったこともありますが、もうひとつ、ARIAの舞台となったヴェネチア好きが高じてのことでもあります。イタリア村といいつつ、ネタの多くがヴェネチアに偏っているのもある意味丁度良かったですし。

エントランスには大鐘楼と立派な門が。そして真実の口のレプリカがいきなり?と思ったら、なぜか100円を投入するマシンが併設されている。その割にはこれが何なのか一切説明書きがない。物は試しということで口に手を突っ込んでコイン1個入れてみると、なにやらイタリア語で機械がしゃべり始めるも解説は一切なし。しばらくすると、ぺろっと紙が印刷されて出てきました。どうやら、手相占いマシーンだったようです。生活・愛情・ギャンブル・健康・仕事の5項目を9段階で評価してありましたが(9段階というきりの悪いところがイタリア風?)、「健康3」というのがリアリティありすぎです。「愛情8」は何か違う気がしますが、愛情であって恋愛運とは書いてないならある意味正確なのかもしれない。コメント蘭はすべてカタカナで書かれていましたが、「アナタハトクニセイジツトイウワケデハアリマセン」とか遠慮なくずばずばとマイナスを書くのがイタリア流?

イタリア式の軽いジャブをくらって広場に入ると、仮面装束の怪人?がおいでおいでしていたので記念撮影。基本的にイタリア村はショッピングモールなので入村料は無料なのだが、ゴンドラや美術館は有料なのです。セットでチケットを買うと200円引きになったり、買い物が割引になるクーポンをもらったり…とお得に過ごす方法もあるので要チェックですよ。まずは何はなくともゴンドラチェック!ゴンドラは6人乗りで、船頭さんは1名。朝イチには15名くらいの行列が出来ていましたが、買い物を済ませて1時前に乗った時にはノータイムで乗れました。イケメンなイタリア人の若い船頭さんが鼻歌を歌いながら陽気に水路を10分ほどかけてゆっくりとクルージング。途中偶然にも披露宴会場の控え室にいたサンマルコ楽団と遭遇したり、狭い水路を舟幅ギリギリでキックも使いながらコーナーリングする様がディズニーシーとはまた違った面白味がありました。強風のためゴンドラのコースが半分使えなかったのが残念でしたが…

それほど広くない村内には、様々な要素が所狭しと詰め込まれています。例えば、珈琲店の軒先に看板に埋もれるようにひっそりと佇むマリア様像とか、トレヴィの泉を模した?小さな泉にコインが沈んでいるのは別に不思議ではありませんが、なぜか泉には金魚が泳いでいるとか…ヴェネチアンガラス美術館のブロックノートには、もしやと思ってページをめくってみると、イラスト付きでARIAファンの書き込みが!…皆考えることは一緒なんですね。足湯は拭くものを持ってきていなかったのでパスしました。使い捨てタオルとか設置してあれば便利なんですけど… 食べる方では本格薄焼きピザも美味しかったし、ピアノの演奏を聴きながら喫茶サンマルコ飲んだキャラメルマキアートで一服。ジェラートは一際目を引いた「味噌味」にチャレンジ。名前のインパクトの割に味にはインパクトはありませんでしたが…お土産には、さすがにローマ饅頭とフィレンツェ煎餅はありませんでしたが(^^)、イタリア村オリジナルの饅頭とピザ味煎餅スナック(ピッツア・パタティーナ)があったので代用になる…かも。マーブル紙を扱う文具店の品揃えがちょっと想像と違っていて、マーブル模様のシャーペンはなくボールペンのみ。しかもボールペンに紙を巻いただけというチープさ…以前、美術部さんがカナコミで展示していた想像自作マーブルシャーペンの方が圧倒的にクオリティ高かったですよ。ノーマルが500円でキャップがつくだけで+500円という理不尽さ…このテキトーさもイタリアっぽいのかも。お会計時に「グラッツェ!」といってくれる店員さんと日本語そのまんまの店員さんとまちまちなのは、テーマパークじゃないから徹底できないのも致し方ない…かな。イタリア土産と名古屋土産が半々くらいというのは、少々アレかもですが…私はARIAチックなポストカードを何枚かと、収録曲の「瀬戸の花嫁」につられてサンマルコ楽団のCDを購入。

午後からは快晴になり、限られた時間ながら効率的に満喫できました。逆に言えば、短時間である程度見渡せてしまうので、リピーターには結びつきにくいと思いますが…夜景とか季節によってまた違った趣があるのかも知れないけど、近場にないと足繁く通うわけにもいかないので…経営に行き詰ったらいっそのこと、東京の湾岸あたりに移築してくれないかなぁ…

2時半過ぎに再び名古屋駅前に舞い戻り、プレゼント用のお花を仕入れてサイン会会場へ。この時期はマーガレットは花屋さんでは扱っていないそうです。サイン会場に水差しにあったのは、もしかして本当に原作どおり春菊?マイミクさんとは整理券番号は100番近く離れていたし、帰りは元々別便の予定だったのでここでお別れすることに。いつもマリみて系即売会でお会いする方がスーツ姿でいたりと、サイン会はいつものように和やかな雰囲気でつづがなく進行。皆さん一言二言今野先生とひびき先生に話しかけていて、サイン会慣れしてるなぁという印象。私は前々回の津田沼から2度目の参戦でしたが、今回も緊張で何も気の利いたことはいえぬままでした。本へのサインの後には、別冊コバルトセット購入特典として、サイン入りの瞳子のカラーイラストをいただきました。こういう嬉しいおまけがあったり、旅先での楽しみがあるとサイン会はより面白味があるものですね。私の場合、仕事柄遠出がしにくいのが難点ですが…

サイン会後には、三重在住の友人と合流して、喫茶店コメダ珈琲店で久しぶりにたっぷりおしゃべり。アイスコーヒーの上にソフトクリーム1個分はゆうにある生クリームがでーんと乗っかり、しかも標準でガムシロップが大量に入っている、甘味マニア御用達のお店らしい。「ガムシロップ抜き」という注文の仕方があり、トッピングで小豆がついてくる特殊っぷり。午後4時にも関わらず30分待ちの行列が出来るくらいですから。落ち着いて色々と深い話ができたので、vol.6の所長講演にここで着想を得たロジックがいくつか発表できる…かも。

たっぷり遊んでたっぷりしゃべって、帰りの新幹線では爆睡。しかし、夜はまだ終わっていなかったわけですが、それはまた別の話。(オチはありません)

 2008/04/15(火) 「アキバ歩行者天国の無法地帯化について」

職場でwebに詳しいアルバイトと最近のIT事情についてアレコレ話していたところ、「アキバblogを最近見なくなった」という話が上がってきたので、それはなぜかとたずねたら、「興味半分に暴走を取り上げる記事ばかりで、まるで芸能週刊誌みたいで嫌になったから」とのこと。なるほど…言い得て妙なり。私もRSSの使って業務上の情報収集に必要な記事しか目に入らないようにしていますが、改めてここしばらくの記事を洗ってみると、2007年5月の日記でも私が懸念していた通りの傾向が出ていますね。巨大すぎる影響力を持ってしまったメディアがカルト的な正義として認知され、法や倫理や秩序などのすべてに対して露出することが優先されてしまう危うさがある、と…

もはや毎週末の定番になっている、歩行者天国での無秩序ぶりを伝える記事。コスプレ撮影に群がる人々とケツ出しやらローアングラーやら。過激すぎるセクシーコスプレ。駅前には通行の邪魔になるほど勧誘メイドさんがわらわら。終いにはエアガンを乱射して警察沙汰。それを面白半分に報道するTV局…こういう記事を読むと、まったくもって世も末だなぁ…と、公人としてアキバ系産業を拡大さる立場にある人間として暗澹たる、忸怩たる思いになってしまいます。

あ、ちなみに今日の日記はアキバblogを批判したいわけではないので、くれぐれも誤解のなきよう願います。前記のような記事も、このカオス状態を含めてアキバの今を伝えている、とも取れるわけであり、結構な額の広告料をもらってPVを上げるということで広告価値を上げるビジネスモデルを取っている商用サイトである以上、利潤を追求することは至極もっともなことです。ただし、まともなジャーナリズムを持たず、宗教的な倫理観も家族徒弟的な倫理観も持たずに育った我が国の現代っ子が、果たして情報の真贋と多面性と相対的な正義と悪があることを見極められることができるだろうか?…もちろん考えるまでもなくNOです。

マスコミと称するTV局ですら、イチ個人レベルの商用ニュースサイトの記事を真に受けて取材(というより撮影)をするご時世であり、そんなレベルのニュースを日々受信している視聴者の認識は推して知るべしだ。それに、記事にされることを明らかに狙っている図式も気に喰わない。ネタに走りすぎた店頭のPOPなんかもそうだ。あれは最早商売上の工夫の域をはみ出しすぎている。いくら販促とはいえ、事件性の高いネタを引っ張ってきたり、全く関係のない作品の吹き出しコピペマンガを載せるのはやりすぎだ。パフォーマンスをするから記事にするのか、記事にされるからパフォーマンスをするのか…

別にニワトリと卵の問答をしたいわけではないし、どちらがより悪いかを論じたいわけでもありません。問題なのはお互いに自分達は悪くないという責任転嫁の果てに「露出こそが正義」という捻じ曲がったマイノリティジャスティスが成立してしまっている現状です。確かにパフォーマンスを取り締まる明確な刑法は存在しないから、公権力はそこに犯罪が発生しないかぎり強制排除はできない。歩行者天国は道路交通法の無許可道路使用に該当する注意でしか対応できない。法がないわけではなく、法の範囲が及ばないことをいいことに、やりたい放題”脱法”している。末期的な群集心理の行き着く先が今のアキバだとすれば、なんとも情けないことである。

「迷惑掛けてないですし、問題ないんじゃないんですか」

とある記事の取材に聴衆はそう答えたという…嗚呼情けなや。現代日本人の性根はここまで腐ってしまったのか…誰が見ていなくても自分自身が見ている。自分に対して恥ずかしいとは思わないのだろうか?アキバ文化が誤解されて報道されることで、表現の自由を守るために裁量と良識に任され保証されていた自由とは、法によってひとたび規制対象になればいとも容易く吹き飛ぶであると、なぜ理解できないのか?私は同人と深く関わりを持つ者として、二次創作も無法という意味では一緒ではないか?という批判されることに完全で自明な理として断言したい。二次創作を行うすべての者は、誰もが一次創作への敬意を持っている。一次創作者の好意的な黙認という危ういバランスの上に成り立っている表現形態であることを知っている。常に襟を正して場を守るためにどう行動すべきかを真剣に考えている。例えば歩行者天国でのパフォーマンスが禁止されるとして、その場を守るためにパフォーマーや撮影者が行動を起こすとは考えにくい。禁止される段階になってから反対運動のひとつくらい起こるかもしれないが、「なくならないためにどうすればよいか?」という事前行動は誰もしないだろう。それが決定的な違いであり、物事の本質的な価値の有無なのではないでしょうか?

「他人の振り見て我が振り直せ」という諺は日本人の品格とは何かを示すお手本だと思います。いつからこの国は「赤信号みんなで渡れば怖くない」などという恥知らずな民族に成り下がってしまったのか…

 2008/04/12(土) 「今月のきらら」

 1 あねちっくセンセーション
 2 ふおんコネクト!
 3 三者三葉
 4 メロ3(三乗)
 5 かみさまのいうとおり!
 6 ドージンワーク番外編
 7 棺担ぎのクロ
 8 うぃずりず
 9 まーぶるインスパイア
10 ねこきっさ
11 -そら-

全24本中で、自分内単行本購入基準(略してC点)をクリアしていた作品は11本で、打率に換算すると.458。C点本数は11本で先月号と変わりはありませんが、全本数が24本と2本減っている分表示上の打率は上がっています。単行本作業やローテーションによる計画的休載が2本、体調不良による休載が1本。総ページ数はほぼ変わっていませんが、これは「ドージンワーク」のストーリー仕立ての番外編のスタートと、「二丁目路地裏探偵奇譚」の増ページで補完されたものであり、来月号で「あねちっくセンセーション」と「1年777組」の2本が最終回を迎えることも重なり、今後のゲスト陣の定着がより一層急務になってくるわけですが…C点まであと一歩でダンゴ状態になっている第2グループから、弾けた個性で抜け出る作品が出てくれることを願って止みません。

そんな今月の首位に輝いたのは、来月号で最終回を迎える「あねちっくセンセーション」です。この集計ページでも安定した実力を発揮して連載開始当初からずっと追いかけてきた作品でしたが、ファイナルエピソードを迎えてランクもブースト加速。初のベスト3入りとなる2位を獲得した先月集計を経て、今月遂に激戦区きららの首位に立ちました。今ようやく明かされた「姉さくらが弟春人に対してバイオレンスであった理由」そして「かつて交わした約束」…文面だけを見ると急展開のようにも取れますが、連載をずっと読んでいる側からすると、これはごく自然なものだと思えました。これまで積み重ねてきたドツキ漫才の如き笑いの日々があるからこそ、次回最終回という佳境にあってさえ、「勝ちたいのか負けたいのか」が分からないことに対して全く不安を覚えないのは、その答えは頭で理解するものではなく、全力全開バトルの果てに春人が勝ち取るもの(勝敗とは関係ないもの)だと理屈抜きで理解しているからなのでしょう。

次点には、単行本作業休載から復帰した「ふおんコネクト!」が。来月号は単行本とドラマCDの発売に合わせて、雑誌の表紙&巻頭カラーで編集部的にも大プッシュしていく作品という位置づけに。マイトップ3の常連にしている私としてはこの作品のポテンシャルからすれば当然の流れだと思いますが、この作品の笑いの種類は、業が深くて密度も高い「濃い」種類のネタの面白さであり、一読しただけでは伝えずらいことを考えれば、編集部的には結構な博打だったのかも知れませんね。多分、私と趣味の近い友人に単行本を1冊渡しても、それでも十分には伝わらないかもしれない。ちょうど私の中でのブレイクポイントになったエピソードは2巻に収録されるはずなので、それを待ってからの方が布教活動しやすいかも。今月のネタは感想を書くとイイお話しの感動が薄れてしまうのは本意ではないので控えますが、いつもの通りはみだした先生と生徒の視点から真面目ちゃんが終わりで初めて知った学び舎の意味…長くこの作品を読んでいる人にとっては表面上の笑いの先にある何かを感じられたことでしょう。

続いては恋の相談(?)の前段階だけで山Gいじりで1話分笑い倒してしまえる「三者三葉」が安定した実力を発揮。矛盾たっぷりに過保護で過剰反応な山Gさんネタはやはり鉄板ですね。先生になる方法を調べ始めた山Gを止めた双葉の「あっさり実現しそうで怖い」に深く頷く。4位の「メロ3(三乗) 」は今回は高砂さんメインのお話。前回が委員長メインだったから、まずは1名ずつフラグを立てていく(?)展開なのでしょう。まぁ、当の福田君本人は好意をよせられているなど全然全く少しも気づいてないわけですが…

今月からスタートした「ドージンワーク番外編」は、以前フォワードの読み切りで掲載されたエピソードに登場した、ソーラの同級生で露理の悪巧みでエロマンガに目覚めてしまった「しずちゃん」が主役。3年後を舞台に4コマではなくフリー構成で展開されています。毎号読み切りで別キャラ視点でやっていくのかどうかは不明ですが、本編同様に同人界を描くことの写実性は求めずに、あくまでキャラクターギャグ漫画としてお楽しみください。その他では、筋肉視点での電車居眠りエピソード再びがグッジョブだった「まーぶるインスパイア」、たまもさんの破壊神ドライブの謎が明かされた「かみさまのいうとおり!」…というように、常連陣もチャレンジと新鮮さを失わない。それがこの雑誌の強さの秘訣なのでしょう。

今月のレポートはこんなところです。

 2008/04/08(火) 「最終回総まくり:おかわり」

アニメ最終回を振り返った日記で、うっかり「みなみけ おかわり」を入れ忘れていたので、後付になりますが追加しておきます。

第2期といっても1クールから続きモノで製作会社が違うバージョンを放送するという非常に珍しい形態だったので、評価する方としても今期のアニメというイメージが薄かったのかも知れません。ただ、第2期だからどうこうとか、第1期と比べてどうこうというのは…正直言って私の中では特に関係ありませんでした。確かに切り替え当初は「なぜ変える必要があるのか?」という違和感が多少ありましたが、どちらも中身はしっかりと「みなみけ」していたので、すぐに慣れました。絵柄など些細な問題であり、要は原作をよく理解したアニメであるかどうかが重要なのだと気づくことができました。評価的には前作と合わせて「良作」と呼べると思います。

ちなみに、ちまたで評判の「狼と香辛料」と「バンブーブレード」は放送時間の重複により視聴できませんでした。今期も「仮面のメイドガイ」やNHKのBS系は受信できず…新アニメの観感については、第1回放送が一巡したあたりで。

 2008/04/06(日) 「子羊たちの春休み3」

本日は、浅草の都産貿台東館で開催された、マリア様がみてるオンリー同人誌即売会「子羊たちの春休み3」に一般参加してきました。第1回がPia、第2回が浜松町、そして第3回の今回は台東館…と毎年ロケーションは変わっていますが、イベントの活気は衰えるどころかますます盛況になっているように感じます。参加サークルは124。現役で活動しているマリみてサークルさんで参加できなかった方は僅か5〜6くらい…というように、このジャンルのほぼ総動員に近い規模の開催となりました。大きなイベントの谷間に当たる時期でもあり、そして公式の最新刊「マーガレットにリボン」が発売されたばかり、などの追い風となる要因もありましたが、それ以上にこのイベントを成功させるために裏方として奔走してくれた主催氏の苦労を知る立場にある者としては、この幸運と成功は決して偶然ではなく、誠実な努力と積み重ねが呼び込んだものだと思います。出囃子から書くのもナニですが、関係諸氏のその情熱が作り上げた歴史に深く感謝いたします。

感傷的な概況はこのくらいにして、当日のレポートをば。GM研本部から台東館までは徒歩で25分。決して歩けない距離ではないのですが、地下鉄やバスを使うにも中途半端な距離だと言えます。都営浅草線で蔵前から浅草駅までの1駅に170円払っても、短縮できるのはせいぜい5分くらいでは割に合わない。都営浅草線の浅草駅は、銀座線の浅草駅とは徒歩3分くらい離れているので、初心者は迷いやすいので要注意!朝9時前に台東館に現着。1Fのエレベータホールにはすでに100名近い一般参加者が列整理の開始を待っていました。はて?確かに今回は「史上最大級」のマリみてイベントとはいえ、ここまでの求心力になるものなのか?そう疑問に思いつつ、マリみて階の列誘導が始まってみると、移動したのはそのうち4割…後でカタログを買って気づきましたが、別フロアで開催されていたハヤテのごとく!オンリー「執事とらのあな2」に、誰もが知ってる大手サークルのbolzeさんが、イベント内イベントのバンブーブレードで丸太道場さんが参加していたことがこの確変状況を生み出していたようです。実際、開場したら列の8割方がそこに直行だったそうですし…

今回の子羊3は台東階4Fを全面使用しているため、約130サークルで半面を使っても、あと半面が丸々余るという広々仕様。一般待機列もコスプレゾーンとは別に確保しても無問題なくらいに広々。一般待機列は開場前には200名規模になっていたので、一般参加者の出足はいつもどおりといった感触です。すでに円熟期にあるジャンルには拡大することはないわけですが、この減衰率の低さ・キープ力の高さは相当なものだと思います。顔と名前が一致しないけど、どこかで見たような面々がそこかしこにいるので…カタログチェックをしながら朝食代わりに途中のコンビニが買ったメロンパンをほおばるも、ふと裏面の成分表を見て「1個あたり614kcal」のとんだ地雷表記に軽くびびっていると、スタッフさんから今回の成年向けチェックの方式の説明が。

今回は浜松町で一般化している待機列もしくはカタログ販売時の身分証明書提示による18禁リストバンド装着方式ではなく、成年向け作品を扱う各サークルで頒布時に購入者に対して身分証明書の提示を求める方式でやるとのアナウンスがありました。なるほど…確かに成年向けを扱う割合が著しく低いマリみてジャンルでは、全員チェックをしたりゾーニングをすることはかえって非効率だし、どのような方式を取ったとしても完全などあり得ないのだから、「頒布者の自己責任に委ねる」というのは同人の本来的な原則精神に乗っ取ったものであり、私も大いに賛同します。「場」を守るために様々な対策を模索して会場側と折衝を繰り返してきた中で、少しずつ相互理解は出来始めているのかもしれない。あくまで想像でしかありませんが、悲観的に考えすぎることもないと思いますよ。

ちなみに、今回は広々としたスペースを活用して、ティンクルスターの藍川さんの聖画風のイラストを超巨大パネルにして飾った「お迎え絵」を、一般入場の際に目に入るようにレイアウトされていました。待機列の仕切りも敢えてこのパネルが見えないように工夫してあって芸が細かい!パネル横には電子ピアノが設置されており、女性のスタッフさんによる生演奏が何度か行われて目でも耳でも楽しめる工夫がされていました。コスプレゾーンの利用が少ないのは別に今に始まったことではありませんが、薔薇の館のテーブルを再現した談話スペースとか、素人レベルを超えすぎた落書きノートコーナーとか、イベント的な仕掛け多くないものの配置など細かいところに配慮の行き届いたイベントですね、いつものことながら。

開場後は一目散に行きつけのサークルさんに直行。マーボン効果もあって、この日はチェックサークル45のうち約半数がコピー本を発行するという、史上最高レベルの難易度となったミッションは…2箇所で目前で完売を迎える残念な展開に。数が数だったので打率としては決して悪くないわけですが、手に入りそうなところで逃すとダメージが大きいですね。見本誌をしっかり読んでオフセ収録希望を出すのも忘れずに手を尽くしたことだし、後は運を天に任せるとしましょう。珍しいところでは、普段はコミティアやサンクリのオプー漫画で参加している「ミュンヒハウゼン症候群」の珠月まやさんがマリみてサークルとして参加していたこと。コピー本でしたが、後日オフセにして出るそうなので要チェックです。「美術部」さんのスペースに飾られていた、ピザハットのキャンペーン箱に可南子を足した箱は、あまりにも出来が良すぎてナチュラルすぎたためか、ネタだと気づく人が少なかったようですが…「まじっく・すくえあ」のはざまさんによるマリみて歴代イベントレポート漫画「同人誌概論」の切り口が面白かったし、他にも「鉄棒少年」の夏師さんにも久しぶりにご挨拶できたし、親しくしていただいている方々ともゆっくりとお話ができて、非常に満足殿高いイベントになりました。

この日の収穫は53冊でした。コピー本が多かったとは言え、オンリーイベントでは最大級の歴代最高に近い収穫でした。気になる本は機会があれば日記の方で後日ご紹介いたします。こめかみがピクピクする頭痛を抱えていたので、アフターイベントには参加せず早めに切り上げさるを得なかったのが心残りですが…今年は5月にも9月にも10月にもマリみてのイベントがあることだし、それまでにしっかりコンディションを整えておくことにしましょう。(もちろん、自分の本を夏にちゃんと出して、秋には御礼詣出が出来るようにしますよ!)

すっかり我が家のインテリアの一部となった、子羊製のマリみてスクールカレンダーをめくって4月に合わせて、さて心機一転、自分の本作りにも励むとしましょうかね!

 2008/04/04(金) 「今期のアニメ最終回総まくり」

最終回ラッシュとなった今期のアニメについて、駆け足で最終回についてあれやこれや書き留めておくとしましょう。まず、お気に入り順では以下のような最終評価になりました。

殿堂入り:
 ARIA

良作:
 CLANNAD
 俗・さよなら絶望先生

普通に楽しめました:
 ガンダム00
 ハヤテのごとく!
 灼眼のシャナII
 逆境無頼カイジ

所々惜しいけど無料で観る分にはいいかな?:
 シゴフミ
 ガンスリ(第2期)

■ARIA
雑誌連載の完結と、単行本の発行と、アニメの最終回がこれほど接近した状態で展開されるアニメは前代未聞だと思います。月刊ウンディーネは各地で瞬殺されて、過去の水の三大妖精シリーズはとてつもないプレミア価格で取引されています。発売当時は書店筋で余ってしょうがねぇ状態でしたが…人気爆発効果とは恐ろしいものです。私も第一期からアニメは観ていましたが、録画もせず環境アニメ程度の認識で眺めていたわけですが、アニメ第三期で一気に動き始めた”それぞれの未来”を目の当たりにして、今までただ穏やかに流れていた時間がどれほど愛しいものであったのか気づくことができました。具体的に言うと、アリスちゃんがプリマに飛び級昇格を果たした瞬間です。そこから原作を読み始めて、このアニメがいかに原作の魅力を忠実に再現し、なおかつ雄弁に追加要素で世界観を演出しているかを知るに至りました。原作にはなかった、藍華ちゃんの昇格試験の様子や、アリシアさんの引退セレモニー、そしてプリマ昇格試験の最後の案内先に灯里ちゃんがARIAカンパニーを選んだこと…そのすべてに惜しみない拍手を贈りたいと思います。アニメの価値は原作に忠実であるかどうかで決まるのではなく、アニメという表現媒体を使ってより魅力的に原作の世界観を伝えようとすること。愚直なまでにその精神を貫いたこのアニメが、最後の最後で大輪の華を咲かせて世間に広く評価され始めたことをとても嬉しく思います。

■CLANNAD
2クールでは尺が足りないことは当初から予想していましたが、やっぱり第二期としてAFTERをやるんですね。無理に詰め込むよりも、今はただ幸せだった頃を目一杯のクオリティで贅沢に描く…それは英断だったと思います。オープニングで「あのキャラ」を出しておいて、登場させないとはまんまと騙されました。オリジナルの番外編となった最終回は、その先に待ち受ける辛すぎる未来を忘れさせるには十分なものでした。たとえそれが一時のことであろうと…AFTERの放送時期や話数については明言されていませんが、テレビのスケジュールを考慮すると少なくとも秋以降…「あのシーン」を真冬に合うように調整してくると予想されます。ただし、本編で「願いの光」を一切扱わなかったのに、AFTERであれをどう説明つけるというのか…京アニ脚本のお手並み拝見といきましょう。そういえば、TVアニメ本編ではじっくりと描かれることのなかった智代編については、DVD8巻に特別編が収録されるとのこと。個人的にはもうちょっと藤林姉妹のシナリオを織り交ぜて欲しかったけど、渚ルートから外れるわけにもいかんしなぁ…第二期を気長に待つことにしましょう。

■俗・さよなら絶望先生
最終回には単行本12巻のネタも使われており、原作の進み具合との兼ね合いからして、あるとしてもあと1年くらい先の話かもしれませんが…特に終止符を打ったわけではないので、第三期があっても不思議ではありません。最終回には初音ミクがめるめるの声オーディションのアフレコに登場して驚きましたが、まぁアシスタントの前田君とか背景にしつこく出演してる麻生さんとか、やりたい放題のアニメですし、視認できないほど高速で流れる絶望小ネタにはもっとヤバイネタが転がっているわけだし…冷静に「それはどう面白いの?」と問われて説明に困るわけですが…麻生さんがホンマに総理になっちゃったらどうしよう?

■ガンダム00
色々評価は分かれる作品でしたが、「俺がガンダムだ!」「狙い撃つぜ!」などなど多数の名フレーズを生み出したことや、壮絶な皆殺しエンドであったとはいえ、2クールでひとまずの決着をつけたあたりは、普通に見ていて面白かったと思います。ガンダムとして良いか悪いかは別の話です。生憎私はガンダムを語れるほど詳しくないので比較論には言及はしませんが…少なくとも、SEED DESTINYのようなトホホな終わり方よりは何万倍もいいんじゃないでしょうか?個人的なピークはグラハム・エーカーが刹那との最終決戦で言い放った「やはり私と君は運命の赤い糸で結ばれていたようだ。そうだ、戦う運命にあった。ようやく理解した。君の圧倒的な性能に僕は心を奪われた。この気持ち、まさしく愛だ!」でした。争いを生み出す世界の歪みを”愛ゆえに”で片付けてしまうその様はある意味すがすがしい。第二期への思わせぶりな伏線もたっぷり用意されていましたが、キーパーソンになるのはもしかすると沙慈かも?

■ハヤテのごとく!
小学館パワーを炸裂させた4クールを無事に完遂。しかも第二期の製作発表というおまけ付き。「絶対可憐チルドレン」に日曜朝10時枠を継承して、完全にテレ東小学館枠の確保に成功してますね。3クール目の執事バトルとかオリジナル要素も破綻しない程度に楽しめたし、ネットラジオの「ハヤコン(略語)」の自由さも面白かった。個人的には、最終回でのヒナギクと西沢さんが仲良くしている下りが、今までのアニメで描いていなかった展開だったのはいただけないところ…ヒナギク→ハヤテの下りがその他にもバッサリとカットされているのは、第一期はあくまでナギお嬢様をお守りする執事コメディとして描き、同時攻略ギャルゲー的展開は第二期で描こうという魂胆なのでしょう。そのためのヒナギク温存か…そんな制約があってさえ4クールにわたって過不足ないクオリティを維持したことは十分に評価していいのでは?

■灼眼のシャナII
原作は相変わらず未読なので自信を持って断言できるわけではありませんが、第三期も確実にありそうな終わり方でした。まぁ、ここで終わられては、積み残した謎が多すぎて困ってしまいますけど。シャナと和美のお互いを認め合った恋のライバル(好敵手)関係の決着については暈した形になっていますが、結果については1つしかない演出であり語るのは野暮というもの。シリーズの多くを費やした「近衛史菜」についても最後の最後で頂の座:ヘカテーの変化として顕現したことで帳尻も合ったことだし…機会があれば第一期も観てみることにします。

■逆境無頼カイジ
「ざわ…ざわ…」福本擬音と、「カイジ痛恨!」などのナレーションが印象的だったカイジ。原作通りですべて知っている内容でしたが、普通に楽しめました。免疫のない方には少々刺激が強かったかもしれませんが…第二期製作決定!…ということは、やるんですね地下チンチロリンと沼パチンコを。この2ネタで再び2クール。さすがに麻雀の17歩はアニメ向きではないのでそこまではやらないでしょうけど…早くても1年後くらいなので、アニメをきっかけにしてこの作品にはまった方は、是非漫画原作版でこの狂気の世界に身を委ねてみましょう!

■シゴフミ
なんだかんだで最後まで見届けました。正直、あの最終回はもったいないなーと思いますが、あの尺でまとめる無理難題に対しては最良の選択なのかもしれない。全体的なペース配分に見誤りがあったようにも思う。世界観を説明するためのエピソードが多すぎたことで、途中で視聴が途切れてしまった人もいただろう。現に私もマイミクさんの日記で「こういう見方があるんだ」という発見がなければ、録画も止めていたと思う。個人的なピークはチアキさんのエピソード「サイカイ」でした。結果的に、チアキさんというお気に入りのサブキャラが出来たわけであり、世の中何が幸いするか分からんもんですな。

■ガンスリ(第2期)
これもなんだかんだで最後まで見届けました。第二期はピノッキオ絡みが多かったこともあり、擬体の中ではトリエラがメインで活躍しており、ヘンリエッタやその他のファンにとっては見せ場も少なくて、その辺りが評価に影響してくるかも知れませんが、私はこの作品の本質は闇社会に手を染める者達の不器用な愛情にこそあると思っているので、ピノッキオやフランカ、クリスチアーノらを魅力的に描いたこの第2期は好感が持てました。ピノッキオとトリエラの最終決戦には、BGMに「Biancaneve Bruno」を流しつつ、私は勝った、敵を倒して、大切なものを守った。私は知った凍える世界を溶かす温もりを…というフレーズに合わせた演出が欲しかったところですが…

さて、この春はどんなアニメと出逢えるだろうか?

 2008/04/02(水) 「絶望した!医療保険社会の崩壊に絶望した!」

本日の日記は珍しく社会派です。別に24時間オタク妄想に華を咲かせているわけではなく、仕事場では冷徹にロジックでぶった斬る鬼軍師であり、ベンチャー社長の経営哲学日記に目を通し、Nikkei.comやITmediaの記事を網羅する、普通にビジネスマンをしている時間の方が長かったりするわけですが…本日のお題は医療保険社会の崩壊です。うむ、硬い。

※念のため断っておきますが、私には支持政党はありませんし、右でも左でもありません。

世の中はガソリン税の暫定税率期限切れに伴うガソリン値下げの話題で狂奔していますが、その裏でひっそりと進行しているトンデモ医療保険制度改革についてはあまりにも知られていません。ガソリン代が25円も違えば確かに生活に直結する切実な問題ですが、それは所詮は今一時のことです。リッター150円だからといって干上がってしまうほどの物価高ではありません。しかし、この医療制度改革は長生きすることも、太く短く生きることも、どちらも許されない夢も希望もない未来へとつながっていく、恐ろしい第一歩なのです。それが「後期高齢者医療制度」と「メタボ検診の義務化」です。

「後期高齢者医療制度」とは、後期高齢者(75歳以上)を現在加入している国保や健保を脱退させて、後期高齢者だけの独立保険に組み入れられることで、家族に扶養されている人を含めすべての後期高齢者が保険料の負担を求められ、大多数が「年金天引き」で保険料を徴収されるようになります。医療費の窓口負担は「原則=1割」「現役並み所得者=3割」で変わりませんが、医療機関に支払われる診療報酬は、他の医療保険と別建ての「包括定額制」とし「後期高齢者の心身の特性に相応しい診療報酬体系」を名目に、診療報酬を引き下げ、受けられる医療に制限を設ける…つまり、バカ正直に後期高齢者に手厚い医療をする病院・診療所ほど経営が悪化するようになる。そうなると病院側はますます医療にドライにならなければ、手を抜かなければ経営が成り立たない。それこそバカげた話が現実になってしまうのです。定期的な診察が必要な患者でさえ、医療制限によって診察を受けることができない…要するに、金を持ってない奴は長生きするな、ということでしょうか?日本の高度経済成長を支えた世代が明るい老後を夢見て定年退職を迎えた頃には、生きることも死ぬことも許されぬ歪んだ法制度しかないという現実。これで絶望せずにいられようか!!

憤慨ついでにもうひとつ「メタボ検診の義務化」について。正式には「特定健康診査・特定保健指導」のことですが、この新制度は現在の健康診断に腹囲測定を加えたもので、男性でウエストが85cm以上、または85cm未満でもBMIが25以上の人は、国から「メタボまたはその予備軍」と認定され、その企業は医師や保健師、管理栄養士などを通じて、生活習慣改善のための支援を行なうことが義務づけられる。内容は未定だが、改善されない場合はペナルティが課せられる。対象者は40歳〜74歳。糖尿病等の肥満に伴う医療費を削減する狙いが…とのことですが、まったくもって余計なお世話であり、先の高齢者医療とも矛盾が発生する。長生きして欲しくないくせに、肥満病の抑制・健康の名の下に働き盛りの世代からも医療指導費をふんだくろうというのだから、医学政治界の金を見て患者も国の未来も見ようとしない倣岸不遜っぷりにはある意味恐れ入りますな。そもそも、太っている事が万病の元のように言われるが、健康的であることと肥満は意味が違う。古来豊満さは豊かさの象徴でもあった。貧しい庶民はやせ細り病気になりやすかった。もちろん現代の飽食の時代にその図式は当てはまるものではないが、では、我々は何を糧にしてストレス社会と戦えというのか?長生きしても医療費がかさんで厄介払いされて野垂れ死ぬしかなく、ならば太く短く生きようとしても強制的に矯正されてしまう。ただ都合の良い納税マシーンとして細く長すぎず生きろと?…これが絶望しないでいられようか!!!

…と、ここまでアホタレな国だとは思いたくなりませんでしたが、どうやら想像以上にバカバカしい未来しか来そうにありませんね…

 2008/04/01(火) 「マーガレットにリボン(ネタバレあり)」

本日はマリみての最新刊「マーガレットにリボン」の公式発売日、ということで本日よりネタバレ感想を解禁いたします。まだ読んでいなくてこれから読む予定のある方は、今日の日記は読み飛ばしていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

以下、ネタバレを含む感想

前巻「キラキラまわる」での展開が、今にも終わってしまいそうなほど綺麗で素敵だっただけに、このまま一気に祥子様の卒業エピソードに…とは行かずに、箸休め的なエピソードを挟んで心を落ち着けるいとまをくれるのも、ある意味ではマリみてのお約束です。二年生トリオの表紙画像が公開された時点で想像はついていましたが、この「マーガレットにリボン(以下、マーボン)」はショートエピソードを集めた番外編的な位置づけの作品です。「フレーム オブ マインド」「イン ライブラリー」「バラエティギフト」のように、定期的にかつ物語が大きく動く時には世界観を補完する番外編を挟むのはマリみてファンにとっては既に恒例行事なのですが、今回はコバルトの短編集の再録ではなく、すべて書き下ろしのエピソードであることに決定的な違いがあり、新鮮な読感がありました。まだ頭の中で整理中なので散文的な表現になってしまいますが、初期感想としてざっくりと読んでいただければと思います。

■イラストのこと
ひびき先生の絵柄は常に変化と成長を続けているので、絵柄については時制での比較をすることにあまり意味はありませんが、ここしばらくの「お姉さまの貫禄が出てきた祐巳ちゃん」に対して、今回の二年生三人組だからこそ見せる「素に近い表情の祐巳ちゃん」も実に良いものだと改めて思いました。作中のイラストは2点と少なめですが、資料が無くても想像で補完してしまえるのがマリみてファンの特性でもあります。オリキャラはデザインが無い方が創作しがいがある…のかも。

■本編のこと
「フレーム オブ マインド」でも使われた手法ですが、マーボンではホワイトデーのお返しのプレゼントを用意する三人組の話を軸にして、そこから「○○みたいだね」のように派生した話題に対してエピソードを挟んで行く構成になっています。蓉子様が”世話好きの優等生”を脱すべくチャレンジするものの”蓉子様らしい”失敗に終わった”大学デビュー”のエピソードや、江利子様が山辺先生の連れ子の娘さんと初対面して”江利子様らしい”解釈で好敵手関係を築いたエピソードや、聖様が祐巳たちの修学旅行と同時にイタリア旅行をしていたのではないか?という疑問に答えた”聖様らしい”愉快なエピソード…というように、前三薔薇様ファンにはもちろんのこと、聖様のイタリア旅行記は本編の謎を補完するという意味でも大きな意義があると思います。これはもちろん読者の要望もあってのことだと思いますが、「パラソルをさして」から5年半もの時を経て明かされた祐巳ちゃんの傘の十日間を描いたエピソード「青い傘の思い出」のように、今このタイミングだからこそ書くことが出来たこと、今このタイミングで読むことが出来たこと、その両方に偶然を超えためぐり合わせのようなものを感じるのは気のせいでしょうか?志摩子さんが打ち明けた家庭の事情も、曾祖母のお葬式の帰りの静様との偶然の再会も、青い傘が導いた恋人の再会も…婉曲的に「別れ」と「始まり」を表現しており、まもなく訪れる祥子様たちの卒業を前にした今だからこそじんわりと深く静かに受け止めることのできたテーマなのだと思います。パラソルをさがしてが5年前の発行であることと「5年前の私」が重なっているのは何かの必然だったのかも知れませんね。

■あとがきのこと
マーガレットとりぼんは奇しくも集英社の雑誌名ですが、それはさておき、注目すべきは「祐巳・祥子編もそろそろゴールが見えた」というコメントです。これはつまり、「祐巳・祥子編がゴールを迎えてもマリみては続く」と楽観的に解釈をしてもいいと思います。読者の数だけ○○編があり、おばあちゃんから妹に、そして孫に受け継がれていくこの優しい世界観が続いてくれることを、ファンなら誰もが願っていると思いますが、主人公である祐巳ちゃんにとって祥子様の卒業は大きな転機であり、当然ながら物語にとっても大きな転機になります。そのような一大転機を前にして心配よりも「どうにかなるさ」と思える”信頼”が勝ってしまうのは、とても稀有な状況なのではないでしょうか?

次巻は通例であれば7月予定…ということは、夏コミの原稿に間に合いますね。この夏のマリみて二次創作は祥子様卒業祭開催の予感?