メグメル(CLANNAD)
音楽唄:riya
 作詞:riya  作曲:eufonius  編曲:kiku 
Windows用ゲーム「CLANNAD」主題歌

物語はいつだって始まっている

 Windows用恋愛アドベンチャーゲーム「CLANNAD」のオープニングに使われた主題歌、それが「メグメル」です。もとっも、オープニング主題歌と言っても、このゲームのオープニングというものは、ゲーム開始から渚シナリオを6時間くらいかけて進行させてからようやく迎えるものですあり、むしろ、オープニングの後の方が短いくらいですから…オープニングと呼ぶのは多少語弊があるのかも知れませんね。でも、それも狙いのひとつだと思います。ゲームを始める前の形式的な儀式としてではなく、フラッシュバックのように断片的に挿入されてきた幻想世界を、あのような形で現実とクロスしてOPに雪崩れ込んで行く構造的な興奮によって、この歌詞が持つ真意から意識を逸らして、それから先に待ち受ける長くて辛い物語が待ち構えていることを無意識レベルに訴えかける、そんな効果がこの特殊な配置のなされたOPにはあると思います。

 key作品では今回初めての登板となるボーカルのriyaさんの声質は、低音域が伸びやかで高音域でも切れ味がよくて、「鳥の詩」のLiaさんとは微妙に声質の異なる、味わい深い聴かせるボーカルの持ち主だと思います。今回の作詞も担当したということなので、今後の活躍がとても楽しみです。


「メグメル」   唄・作詞:riya  作曲:eufonius  編曲:kiku

透き通る夢を見ていた
柔らかい永遠
風のような微かな声が
高い空から僕を呼んでいる

このまま飛び立てば
どこにだって行ける

光の中揺らめいた
言葉も想いも全部
残さず伝えて きっと


昔から気持ちを抱く
どうしても不安で
今はまだ知らないけれど
いつかその目に映る時が来る

世界は続いて行く
君をめざしながら

重ねた手と手の中に
小さな未来が見えたら
記憶をさあ解き放とう

真っ直ぐな心の先に
つながる時間があるから














冷たい朝の日も
迷わずに進んで行くよ
痛みも悲しみも
味方に変えながら

君を照らしている
大気がまだ消えないなら
僕を待っていて
静かに見下ろして

重ねた手と手の中に
小さな未来が見えたら
光の中揺らめいた
言葉も想いも全部

遥かな君まで
残さず伝えて きっと

終わりの始まりの主題歌

 Windows版の初回限定版に同梱されているアレンジCDには、隠しトラックとして9曲目に「メグメル」のフルサイズスバージョンが収録されていますが、このフルサイズバージョンの歌詞は、ゲーム本編の完結編となるAFTER STORYをクリアしてから改めて読み返してみると、音源のみで聴いた時とはまったく違った深い感慨を抱くことができるかと思います。痛みも悲しみもすべて受け入れて乗り越えて、つないだその手で重ねたその手で、言葉と想いを伝えるということ…このシンプルな歌詞を読んでいるだけで、ゲーム本編でのあのシーンこのシーンの記憶を次々と思い起こして、泣いてしまいそうになってしまいました。

 ゲーム本編でこのフルサイズバージョンが使用されることはありませんが、この曲は遊び手が積み重ねてきた物語の記憶を回想して、好きなだけ想い出に浸る自分だけのプライベートな主題歌として楽しんでみてはいかがでしょう?

First written : 2004/06/15