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週刊GM研 Vol.92
2003/05/10


【News Headline】
  • セガ、すべての合併話に「ゴメンナサイ」独自再建に自信
  • 【mini Review】
  • 漫画  : 
  • よしえサンち(3)
  • 雑誌 : 
  • ドリマガ 5月23日号(vol.381)
  • 雑誌 : 
  • 週刊ファミ通 5月23日号(vol.753)
    【COLUMN】
  • 今年こそ本物なのか?阪神タイガース!

  • ■News Headline

     【セガ、すべての合併話に「ゴメンナサイ」独自再建に自信】 
    セガ,サミーとの事業統合を白紙に
    ナムコもセガとの合併提案を撤回!
    セガが15年度通期業績を修正

      2月のサミーとの事業統合報道以来、ナムコが合併を前提とした申し入れを行い、マイクロソフトもセガ株買収に動くなど、何かと世間を騒がせ壮絶な争奪戦の様相を呈していたセガの合併先問題でしたが、この世紀の合併劇は、「合併問題をすべて白紙に戻す」という、誰もが予想外の結末を迎える事になりました。

     セガはその論拠として、2003年度連結業績を上方修正し、売上高で1,970億円、純利益で30億円となる見通しを発表した。ハード事業撤退時にセガが示した再建計画には届かなかったものの、開発分社制度によるソフトメーカーへの転進は順調に進んでおり、セガにとっては久方ぶりの黒字転換を実現した事を強調した。

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     「クリエータ主導経営の開発分社にメスを入れる」と宣言していたサミーに対しては、セガ社内から相当な反発があったようだし、サミーとの合併に対するユーザーレベルでの支持率の低さも致命的だった。ナムコ側も、長年ライバルとして争ってきた縁で手を差し伸べたのに、いつまでたっても態度の煮え切らないセガに矜持を傷つけられたようで、日を追うごとにナムコ社内からの疑問の声が大きくなっていった。マイクロソフトについては噂の域を出ず、そんな相手に命を預けるわけにもいかない。現状では、どこを選んでも上手く行きそうにないなら、「どこも選ばない」という選択しかない。論理上はそう考えるのが自然なのだが、現実問題としてそこまで思い切った経営判断ができるとは、予想していませんでした。

     セガが黒字に転換したと言っても、そんな端金ではセガ背負っている莫大な負債の利子分も払えやしません。同じCSKグループに属するサミーとの関係修復は絶望的であり、本業が思わしくないCSK本体がセガのグループ追放に踏み切るという最悪のシナリオも無いとは言い切れない。この合併破談劇が、かつてのセガバンダイと同じ失敗を辿ってしまうのか、それとも、理想を貫ける身の丈にあった新たな経営計画を示せるのか…セガはさらに厳しい茨の道を選んだ、これが終わりでなく始まりであること、そして、次に終わる時は本当にセガが消滅する時だ、という不退転の覚悟で困難に立ち向かっていただきたいものである。


    ■mini Review

     【よしえサンち(3)】須賀原洋行/週刊モーニング 
     いつものようにホホホで賑やかで密度の濃いファミリー4コマ漫画ですが、Sサンちの3兄弟の成長と共に毎日が新しい発見の連続があって、連載でリアルタイムでずっと読んでいた私としては、孫の成長を見守るおじいちゃんのような不思議な感慨を持ちました。しかし、いつものように(というのもナニですが)、この3巻の巻末で突然の連載終了宣言とあいなりました。連載自体は竹書房の「本当にあった愉快な話」に移って続けられるようなので、ファンとしては一安心なのですが…作中では「作家と雑誌のファン層がずれてしまった」と書いてありましたが、それだけでは分析としては不十分だと思います。確かに、ここ数年でモーニングは「バガボンド」で空前の大ヒットを飛ばし、「ブラックジャックによろしく」「天才柳沢教授の生活」など次々とドラマ化やタイアップ企画を展開してきましたが、そうやって獲得した移り気なバブリー読者層から集めたアンケート結果にどれほどの信頼性があるものなんでしょうね?狙いの露骨なメジャーと我が道を往くマイナーの2極化が進みすぎて、何が何だかよくわからない雑誌になってしまっているような気がします。ファミリー路線ど真ん中の雑誌への移籍は原稿料は下がるかもしれないけど、読者からの反応は良くなると思う。今回の移籍を良いリフレッシュにして、今後もライフワークとして末永く連載が続いてくれる事を祈っております。

     【ドリマガ 5月23日号(vol.381)】ソフトバンクパブリッシング 
     ドリマガ2周年リニューアル号、ということですが、割と地味な改変が多いので誌面的にはあまり代わり映えはしません。投稿コーナーの「ドリマガコロシアム」が7Pに拡大され、次号から広井王子のコラムが開始などなど…新連載企画「ゲームデザイナーの仕事」第一回のゲストは、ガストの「アトリエ」シリーズの3代目イラストレータ:双羽純さん。私の大好きなデザイナーさんですが、今まであまり誌面に露出する事が無かったし、ラフから着色までの工程を解説してくれたりと、絵描きの端くれとしては興味津々で読ませていただきました。新作「ヴィオ」の画集が出たら絶対買わねば!

     今週の「セゲいち」は、セガの合併劇をブラックに描いた「セガばか日誌」でしたが、腹がよじれるほど大笑いさせていただきました。サミーとくっつく理由を「ぶっちゃけ経済力」と断言したり、セガとナムコが合併した場合の新社名を「ナムゴ(濁点のみかよ!)」と予想してみたり…漫画が雑誌に載るまでのタイムラグのせいで、「合併問題はすべて白紙」という結果が出てしまってから読んだので、ギャグと割り切って読むことが出来ました。「トゥルばか日誌」「オグばか日誌」とか活用形も楽しめそうです。

     ギャルゲーブローカー:インチャネの新移植作「あいかぎ」の紹介記事を見て、思わず雑誌を壁に投げつけてしましました。なんじゃい、これは!「ドキドキ同棲生活体験ADV」ってアンタ、クラスメイトと担任の3P同棲生活…あ、ありえねぇ〜 いやまぁ、PCエロゲの倒錯加減にツッコミを入れても不毛なので、それは100万歩譲って良しとしましょう。しかし「DC版のみ18禁」というように、CEROの年齢制限認証を利用してPS2版とDC版の両方を買わせようとしたり、インタールードの「確率1/8のパッケージ絵柄違い」なんてセコイ話題づくりといい…多部田のあこぎなやり口には憤りを感じずにはいられません。

     【週刊ファミ通 5月23日号(vol.753)】 エンターブレイン 
     ファミ通のギャルゲー番記者:キッシー嵐山による「熱血ギャルゲー先生 Returns」に興味深いデータが載っていました。「機動新撰組 萌えよ剣」推定販売本数:40320本。…えええっ!マジですか?おかしいなぁ…発売10日後には新品で半額セールされていたくらいなのになぁ…本当にこれは販売実数なの?大本営発表というやつじゃなかろうか… 記事全体としては、「一般的視点から見たギャルゲーのツッコミどころを真面目に解説」といった論調ですが、そもそも一般の方はこんな濃いページは読まないし、ギャルゲー猛者たちにとっては「何をいまさら」という内容で、概論と列挙に終わってしまっています。もう少し作品個々にターゲットを絞った記事を読みたいんだけどなぁ…

     前回に引き続き「パワプロ10」プロデューサーインタビュー。今回は新地味要素「狙い打ち」の概念が明らかになりました。コースを絞って打撃時にカーソルを動かさずにミートすると打力ボーナスがつく、というものであり、いわゆる「超反応」でゲームの上手い下手が絶対的に決まってしまうというゲームバランスの調整に一役買ってくれそうだ。通常野球モードの現役復帰を目論んでいる私のようなヘッポコアクションゲーマーには嬉しい仕様である。「マイライフ」モードについては、どう考えても「熱中プロ野球」のパクリなので、新要素と豪語されるとすごい違和感がある。公正取引委員会から警告を受けたばっかりなので、これを利用して「サブマリン特許攻撃」を企んでいるとは考えにくいんだけど…


    ■COLUMN

     【今年こそ本物なのか?阪神タイガース!】
     4月12日発行の週刊GM研vol.89のコラムで、2003年のペナンとレースの順位予測をしたわけですが、アレから1ヶ月経って、ある程度の修正が必要になってきました。まさか巨人にここまで怪我人が出るとは予想できなかったし、河原が抑え失格の烙印を押されるとは思ってもみなかったし、ダイエーの若手投手陣があそこまで相乗効果を引き出せるとも予想できなかった。横浜はホームラン数がリーグトップなのに勝率が3割を切っていたり、オリックスの石毛監督が電撃解任されるとか…いやはや、この世の中何が起こるかわかりませんなぁ…

     イマイチ盛り上がりに欠けて勢いに乗り切れないでいる他球団を他所に、日本野球界の話題を独占しているのが、阪神タイガース。5月9日の横浜戦では、浜中・片岡・アリアスが、優勝した伝説の1985年以来18年ぶりとなる「ホームラン3連発」をやってのけて大爆勝。今季初の3連敗を阻止する事に成功した。

     毎年「春の珍事」と割り切って「今騒がないでいつ騒ぐねん!」と、ここぞとばかり大騒ぎするのが17年間続いてきた阪神ファンの日常だったわけだが、今年はいつもとは盛り上がり方の性質が違うようだ。1試合1試合刹那的に喜びを爆発させるのではなく、「明日も勝つ」ことを信じて疑わない「強いチームを応援している余裕」さえ感じられる。

     4月11日の巨人戦で、9回2死最後の1球から6点差を追いつかれて引き分けに持ち込まれた「屈辱の4・11」の翌日、悪い流れを引きずらずに、悔しさをぶつけるように打ちまくった試合といい、因縁の相手である中日に嫌な形で2連敗した直後でも、普段どおりの戦い方ができるようになったこと、この精神的な強さこそが、今年の阪神の最大の強さなのかもしれない。

     今年の阪神の試合は、テレビ中継を見ていても本当に楽しい。1番今岡はまだ本調子ではないが下位打線が作ったチャンスを確実にモノにしてくれる。2番赤星は人が変わったような打撃開眼で出塁率が大幅に向上し、積極的に盗塁を狙うことで3番金本に有利なカウントを作り出している。3番金本はホームランのこだわりを捨てたことで好不調の波がなくなり、持ち前の早い打球で外野を抜いて1ヒットで1塁から赤星をホームインさせる得点パターンはチームの大きな武器になっている。4番浜中は未だに成長過程で苦しんでいるが、前後を金本と檜山(もしくは片岡)というベテランに守られているため「阪神の4番」というプレッシャーからは救われている。5番檜山はファーストへのコンバートで守備の不安からバッティングに集中できない試合がしばらく続いていたが、得点圏での貢献度はさすがのひとこと。6番アリアスは好不調の波が激しいものの、片岡・檜山とポジションチェンジしながら起用できるため、「内なる争い」というポジション争いに焦る必要もなく、マイペースで臨んでいるのがいい結果を生んでいるようだ。7番矢野は不動の正捕手としても打撃面でもチームの要。野口の加入で後顧の憂い無く積極的なプレーができるようになったのも大きな変化だと思う。8番藤本の打撃開眼によって、藤本が出塁→投手が犠打→1番今岡がタイムリー、という切れ目のない得点パターンが確立されたし、2死からの藤本が出塁すればその回の最後のバッターが投手になり、次の回は1番からの好打順で始めることができる。これはあまり目立たない要素かもしれないがチームへの貢献度は高い。

     好調をキープしている打撃陣に比べて、投手陣はイマイチ乗り切れていなかったが、5月を過ぎてようやく起用法も固まって調子は上向いてきている。エース井川は速球のキレがないため伝家の宝刀チェンジアップが効果を発揮できず、相手チームとのエース対決に惜敗する場面が続いていたが、調子が悪いながらも試合を作れるようになったので、復活も時間の問題だろう。ヒゲ魔人ことムーアは投げるのも打つのも絶好調。伊良部も意外とクレバーなピッチングを展開して格の違いを見せつけている。藪は完璧なピッチングに酔って打たれる悪い癖が抜け切っていないし、下柳は体力と球威に不安がある。藤田太陽が先発の5番手として入る事もあるが、この辺の取りこぼしが減らすことが優勝の絶対条件と言える。中継ぎの金沢・吉野は期待通りの働きをしているが、藤川球児は中継ぎとしての適正に疑問がある。抑えはウイリアムズに一本化されたようだが、球種が少ない剛球タイプなので研究され慣れられてしまうると厳しい場面も出てくるだろう。

     総括すると、単純な補強による戦力の充実だけでなく、すべての選手がレベルアップしたことによって、小さなミスをしてもそれが致命傷になることはなく、いくらでも仲間が取り返してくれる。かつて横浜ベイスターズが38年ぶりの奇跡を起こして優勝した時に酷似したチームの和が再現されていると言えるのではないだろうか?

     星野監督は独走状態にも気を緩めることなく「18年前のことなんて忘れろ!ワシらは今を戦っとるんや!」と檄を飛ばしていますが、まさにその通り!長く暗いダメ虎の時代は終わったのだ。これまで味わった辛酸を忘れることなく、臥薪嘗胆し、過去の栄光に縋ることなく、「今俺達が伝説を作ってるんだ!」そのくらいの意気込みで戦い抜いて欲しい。「そのうちいつものポジションに戻る」とか「今は勢いだけ」とか言いたい奴には何とでも言わせておけばいい。これは奇跡ではない。起きるべくして起きている必然なのです!


    文責:GM研編集部編集長 gonta

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