GM研 同人誌レビュー
「気分刊トゥルモロ」とは? 「気分刊トゥルモロ」とは、漫画家Dr.モロー先生が発行している同人誌シリーズ「気分刊モロモロ」のパロディ同人誌です。過激な毒舌と脱力ギャグで原作を茶化し倒すDr.モロー先生の芸風をそのままに、同人誌「トゥルーラブは世界いちぃぃぃ!」で御馴染みの「エニシング大神」氏の手によって、「トゥルーラブストーリー」を題材にして描かれたパロディ2同人誌、それが「気分刊トゥルモロ」です。 TLS系同人誌サークルの内部からでさえ、絶滅危惧種指定を危ぶむ声も聞こえてくるTLS…出口の見えない飢餓感と閉塞感の中、「ギャルゲー界をたれながし」というキャッチフレーズで、逆境さえもネタにして笑い飛ばす、トゥルラー必見の快作(怪作?)が登場してしまいました!
ここで遭ったが百年目! この作品では、これまで「トラいち」の中でも数え切れないほど描かれてきた、TLSの…いや、今や健全ギャルゲー業界全体の宿敵とさえ言えるNECインターチャネルの多部田俊雄プロデューサー(※1)と、強引な業界支配戦略を推進するコナミ(※2)と、他社製品ばかりフォローして肝心のTLSに対しては何もしてくれない我らが親方エンターブレイン(※3)への溜まりに溜まった積年の不満がストレートに顕在化して大爆発を起こしてしまいました!(あくまでギャグとして、ですけど(多分、きっと、おそらく))。 危なすぎるネタの連発(原作もそうなんだからしょうがない)に笑い転げていると、読後には本当に胸のすくような思いで、溜飲を下げることができました。ネタとネタとが高次元でシンクロするパロディの妙、この面白さの発明と発見があるから同人誌はやめられない! ※1:この物語はフィクションです。実在する人物・団体等とは一切関係ありません
笑いの神は舞い降りた!でも、コントの神も一緒に? まるで笑いの神が舞い降りたかのような絶妙な切れ味で、ネタの危なさによる冷や汗とともに思う存分笑い転げさせてくれる傑作ですが、実はこの作品は漫画の外でもとんでもないエピソードがあったのです。それは、久方ぶりに当選した夏のコミケ本番を直前に控えたある日、作者の大神氏は風呂場で足を滑らせて頭部を強打して病院に運び込まれ、クモ膜下出血で入院を余儀なくされてしまったのです。大神さんにとって、コミケはやはり鬼門なのでしょうか…(う〜ん) でも、大神さんのいないコミケ3日目のTLSブロックは、あたかも灯が消えたようであり、トゥルラーにはいつもの「カラ元気」すら感じられませんでした。我らトゥルラーにとっては、今や、大神さんはなくてはならない存在なのだと、強く実感しました(大袈裟ではなく)。
※画像使用申請:2002/08/21
Last update : 2002/08/27 |