GM研 同人誌レビュー
トゥルーラブは世界いちぃぃぃ!4
同人誌サークル : はプロン団
 web連載  トゥルーラブストーリー  123、4、567巻 
作者 : エニシング大神

(C)2002 はプロン団/大神丈ノ助

未来が…明日が見えない!

 既に恒例行事となりつつある「トゥルーラブは世界いちぃぃぃ!(以下、トラいち)」のレビューですが、今回の新刊初売りとなった同人誌即売会「コミックレヴォリューション31」では、なんと「壁」配置! 前号に引き続きスペシャルサンクスに名を連ねる支援者の1人として、本当に嬉しい限りです。

 しかし、TLSを取り巻く世の趨勢は厳しさを増すばかり。2002年3月28日、243億円もの負債を抱えたアスキーはゲーム事業部門の廃止を決定。微かに残されていた希望の灯火「新TLSで起死回生の一発逆転ホームラン!」を夢見ていたトゥルラー達に、夢を見ることすら許されぬ厳しい現実が突きつけられました。未来どころか、明日すら見えませぬ!

そんな〜時代も〜あったね…と

 「トラいち4」には12月〜5月までのWEBコミック「週刊トゥルラブファイト」が収録されていて、宿敵(?)コナミラス帝国の「ときメモ3」の大失敗から、TLS原画師:松田浩二先生のご隠居から、我らが親方アスキーのゲーム事業撤退まで、今回も後ろ向きのネタが満載です(たとえネタにならなくても吉報が1つでもあれば救われるんですけどねぇ…)。

 鳴り物入りで発売された「ときメモ3」は前代未聞の大不発に終りました。初週消化率はわずか35%!今や新品で980円という投売り状態です(最終実売本数は約13万本)。松田浩二先生は実家の家業を継いで隠居状態に。アスキーのゲーム事業部門の廃止で、宙に浮いてしまった新TLSへの道… あまりにも辛すぎる時代ですが、いつの日か「そんな時代もあったねぇ…」と振り返るとき、この本が一緒だったら笑っていられることでしょう。笑う門には福来る!(せめて、そう思いたい!)

それでもあなたはTLSを愛せますか?

 「ここまでSEGAとネタ被ってどうすんのよ!?」とは、裏表紙での大神さんの魂の叫びですが、原作「セガのゲームは世界いちぃぃぃ!(通称セガいち)」がネタにしてきたセガは、香山哲氏の手腕と技術者のド根性によってソフトメーカとして奇跡の復活を遂げつつあります。しかし、アスキーには復活の望みは残されているのだろうか? 唯一の理解者だった大川会長は他界し、ゲーム事業の再建を早々と断念して売却してしまった。

 この先、もし他のメーカーからスタッフ総替えでTLSの続編が出たとしても、トゥルラーは今までどおりTLSを愛せるのか? 松田さんの絵じゃないTLSをTLSを呼べるのか? シリーズの存続を願いつつも、心中とても複雑です。あのままヒゲ社長のもとで冷遇されるより、新天地を求めた方がいいと理解しつつも、期待よりも不安の方がはるかに大きい。TLSの灯を絶やさずに待ち続ける…試されるTLS愛!いかにトゥルラーが打たれ強いと言っても、今度という今度は厳しいかも知れませんが…

 私は今一人じゃない いつどこにあろうと ともに歌う仲間がいる 死すらも超えるマーチを歌おう 時をも超えるマーチを歌おう 「トゥルーラブは世界いちぃぃぃ!!!」

※画像使用許諾:2002/05/12
Last update : 2002/05/17