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週刊GM研 Vol.52
2002/06/22


(縮小版)
【News Headline】
  • クエスト,ゲーム事業部門をスクウェアに譲渡
  • ゲームアーツ、7月末にESPを完全子会社に
  • Win版『FFXI』βテスター募集スタート!
  • 消えるナース帽 「白衣の天使」シンボル不衛生?
  • 【mini Review】
  • 漫画
  •  : 幽玄漫玉日記(6)(完)
  • 漫画
  •  : オールナイトライブ(6)(完)
  • 雑誌
  •  : 週刊ファミ通 vol.707
    【COLUMN】
  • W杯:束の間の熱狂が残したもの

  • ■News Headline

    6/19 【クエスト,ゲーム事業部門をスクウェアに譲渡】  
     「伝説のオウガバトル」「タクティクスオウガ」「銀河英雄伝説」シリーズで知られるゲーム会社「クエスト」が、ゲーム事業部門をスクウェアに譲渡したことを発表。随分前にGBAで「ファイナルファンタジータクティクス」が出ると報道された時点で、クエストからの権利譲渡はすでに決まっていた事項だし今更驚きはしなかった。ただし、松野氏と旧クエストの人間がうまくやっていけるかどうかは疑問が残りますが…(松野氏はFF12のメインなので、クエスト事業引継ぎには直接タッチはしないかもしれないけど) いずれにしても、名作の権利を持っている製作会社は強いですねぇ…(生死すら不明の某TLSシリーズとはえらい待遇の違です(悲哀)

    6/17 【ゲームアーツ、7月末にESPを完全子会社に】  
     ゲームアーツが、7月末をめどにESPを子会社化することを発表。名前はよく見かけるけど今までイマイチよく分からない存在だった「ESP」とは、CSKが50%、残りを中小ゲームメーカー9社が出資して96年に設立された会社であり、各出資会社のソフト制作の開発資金の支援や、ソフトの製造・販売、プロモーションを手がけている…らしい。要するに、開発資金の共同積み立てのようなものです。今回の子会社化は、賛同者であったCSK創業者大川氏の死去にともなったもので、ゲームアーツは持ち株をすべて取得して100%子会社化することになりました。ゲームアーツ自体がエニックスとパブリッシャー契約を結んでいる今となってはESPにどれほどの存在価値があるのか疑問もありますが…

    6/17 【Win版『FFXI』βテスター募集スタート!】  
     スクウェアは6月17日から、公式サイトにてWindows版『FINAL FANTASY XI』と「プレイオンライン」のβテスター募集を開始した。それにしても、必須(P3-800MHz,HDD4.5GB,GeForce)推奨環境(P4以上,GeForce3以上)のハードルが高すぎるような気がしてなりません。私のマイPC(P3-600MHz)では完全に論外です。しかも、PS2版とは仕組みが異なるためにワールドを共有できないというのもガッカリです(先行者がいないので、乗り遅れないですむというメリットもありますけど)。PCを丸ごと新調するよりは、PS2でやった方が安上がりかもしれませんね。

    6/17 【消えるナース帽 「白衣の天使」シンボル不衛生?】  
     「白衣の天使」のシンボルとして親しまれてきたナースキャップが、姿を消そうとしている。帽子に細菌が付着しやすく、院内感染のルートになりかねないと指摘されている。厚生労働省や日本看護協会などによると、看護師の制服に明確な規定はなく、帽子の着用は医療現場の判断に委ねられている。もともと女性看護師(すでに看護婦という名称はない)の間では、「あまり洗わないし衛生面が不安」「頭から落ちるのが気になって勤務しにくい」などと不評だったという。ナースキャップは、看護学校卒業時に戴帽式を行うなど、昔から「白衣の天使」の象徴とされており、患者や医師の一部からは「帽子をかぶっていた方がやさしそうで、看護師らしい」との声もある。(私は制服趣味はないので特に異論はありませんが、院内感染ってそういう次元の問題なのか?)


    ■mini Review

    【幽玄漫玉日記(6)(完)】 桜玉吉  
     コミックビームの代名詞的看板漫画が、ついに最終巻を迎えました。かつてはアスキーに漫画部門を創設するきかっけとなり、常に休刊の危機に曝されているコミックビームの看板作家としての義務感によって、慢性的な鬱病を騙し騙し連載を続けてきましたが、とうとう本当の限界がきてしまったようです。日記漫画というものは実在する周囲の人たちをいじくり倒して人に笑われてナンボの世界であり、そこに疑問を抱かない事の方がよっぽど不自然です。でも、その作風で20年近く現役を続けてこれたという実績は、それだけ多くの読者の支持があったということでもあります。幸いにも胃の腫瘍は十二指腸潰瘍で大事にはいたらなかったそうなので、じっくり療養して復帰してくれる日を心待ちにしましょう。(でも、漫画家生活に戻ったら症状はまた悪化してしまうかも?いや、そもそも、ビームがそれまで存続しているのでしょうか?)

    【オールナイトライブ(6)(完)】 鈴木みそ  
     毎回実験的な手法と意外なテーマの読みきりでコミックビームの看板漫画を張っていた「オールナイトライブ」の最終巻が発売されました。フィギュア創作工房:海洋堂の取材ものから、大日本印刷の製版技術から、ネットゲームが抱える問題まで、相変わらず鋭いツッコミと未来予測をかましてくれています。一番印象的だったのは、「ちんげリーターンズ2002」の中で考察されていた「過労死するアリ 自滅するキリギリス」というテーマです。「しっかり働くためには、しっかり休み、ぎっちり遊ぶことが必要だ」しっかり働いてきた人の言葉には重みがありますね。恒例の長期休暇に入ったみそ先生が、何ヶ月か何年か先にひよっこり復帰して何を書いてくれるのか、今から楽しみです。

    【週刊ファミ通 vol.707】  エンターブレイン 
     今回の「ドキばく」の舞台は我が故郷:鳥取県。なぜか漫画家は逃避先に日本の番外地として鳥取砂丘を挙げる傾向がありますが、地元民にいわせれば、あれは「でっかい砂山」であって、「放っておくと勝手に緑化してしまうので定期的に草抜きをしてる」事はあまり知られていないようです。担当:チップス小沢の趣味で、境港市(鳥取砂丘から西に約100km)の水木しげるロードにも行ってます。お話の演出上逃避行になってますが、実際はGameWaveの取材旅行だったみたいなので、そのうちGameWaveDVD本誌に収録されるのでは?(大栄町の「コナン大橋」には行かなかったようですけど)

     ギャルゲー特集「熱血!ギャルゲー先生」は、残念ながらあまり心に響く内容ではありませんでした。ギャルゲーの構成要素の分析は的確だと思ったし、ギャルゲーの特殊性を浮き彫りにすることには成功していると思う。さすがは自ら「ファミ通のギャルゲー番記者」を公言するキッシー嵐山さんだ、と感心したものです。しかし、それは私のようなギャルゲー好きだから成立する論理であって、一般の読者に対してアピールできるものではない(むしろ退いてしまうかも)。そもそも、サクラ大戦をギャルゲーに区分している時点で間違っている気がするのだが…

     ついでに、「ファミ通DVD E3特報(7月19日号増刊)」の感想をば。アメリカって、本当に銃撃ちまくりのゲームばっかりなんですね。「Hitman」というゲームはスナイパーの照準もいい加減だし、変装さえしていれば突撃銃を構えていても敵に気付かれないというバカバカしさ。んで、パーティー会場で無抵抗の客に銃を乱射して皆殺し…(閉口) いくら文化の違いといっても、これはちょっと…


    ■COLUMN

    【W杯:束の間の熱狂が残したもの】 
     ちょうどこの原稿を書いている時に、テレビで韓国のベスト4進出のニュースを見ていました。あぁ、妬ましいやら羨ましいやら… 韓国が勝つたびに、とうの昔に敗れ去ったはずの日本の敗退を思い出してしまう。決勝トーナメントという大一番なのに、練習ですら一度も試したことの無い奇策を弄した、あの情緒不安定なお仏蘭西人監督の意図は未だにサッパリ理解できません。「試合前にフラット3戦術の放棄について記者が質問したら豹変した」とか「日本が勝ちすぎることは好ましくない、と発言した」などのゴシップ記事を鵜呑みにする気は毛頭ありませんが、それを抜きにしても、到底納得できる敗戦ではありませんでした。

     さて、すでにW杯も佳境を迎えましたが、すでに我らが日本は敗退してるし、女性ファンの黄色い視線を独占していたベッカムもいなくなったので、すっかり静かになってしまいましたね。さんざんイングランドのフーリガンを警戒していたのに、一番迷惑な存在だったのは喜び方を知らない日本人自体でした。信号機によじ登ったり、スクランブル交差点を占拠したり、道頓堀には600人もダイブするわで大混乱。『道頓堀は、阪神が優勝した時にだけ飛び込んでいい川なんじゃ!』と、やしきたかじんも憤慨していました。代表の応援よりも騒ぐこと自体が目的の一部の考えなしの人間のために、日本のサポーターの質そのものが国際的に疑問視されてしまったのは、本当に残念です。

     そのわりには、負けた時に暴れる人はいませんでした。日本人は喜ぶこと以上に怒ることに慣れていませんから。私も本格的に世界のサッカーに興味を持ち始めたのは94年のアメリカ大会(の予選)からなので、あまりデカイ口を叩けるわけではありませんが、基本的に「サッカーはスポーツではない」と思います。そもそも、サッカーの起源は街同士の抗争手段であり、国家と民族の誇りをかけた代理戦争なのです。オリンピックのように「参加することに意義がある」なんて奇麗事は論外です。W杯の勝敗をきっかけに国家間の戦争が勃発したことすらあるくらいですから。

     ペルージャのガウチ会長が、イタリアVS韓国戦で決勝ゴールを決めた安貞桓(アンジョンファン)に対して、「イタリアのサッカーを壊すような者に給料を払うつもりはない」と解雇通告を出したことが大きな問題になりましたが、あの発言はイタリアのテレビ番組のキャスターが、ガウチ会長との電話インタビューの中で「あなたはイタリア国民として韓国人にどんな報復をしてくれますか?」と煽ったのが原因のようです。(でも、心でそう思っていたとしても口に出さないのがビジネスマンだと思うが…現に、日本選手獲得を狙っている息子のガウチ社長は非常に迷惑したようです)

     W杯は戦争であると同時に祭りでもあります。どんなに貧しい国でもW杯だけを楽しみにして4年間必死に貯金して応援にかけつけ、束の間の熱狂に酔いしれる、それがW杯。勝っても負けても祭りが終われば後に残るのは寂しさ、それもW杯です。勝利の美酒と失意の辛酸の味を一度知ってしまったら、もう後には引けない。私たちはすでに韓国に嫉妬と羨望している自分に気付いてしまった。それは「友好」などという奇麗事ではない。真のライバルとして認める「対等の関係」の始まりである。「○○だけには負けてたまるか!」その劣等感こそが、停滞した日本社会全体に活力を呼び込んでくれることでしょう。


    文責:GM研編集部編集長 gonta

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