Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.26
2001/12/03


Index
【News Headline】
【mini Review】
  • 漫画
  •  : 魔法陣グルグル(14)
  • CD
  •  : 黒猫と月気球をめぐる冒険
  • CD
  •  : もっと!モット!ときめき2001
  • 同人誌
  •  : 幼年期の終わりに。
  • 同人誌
  •  : 真琴であう〜っ
    【COLUMN】


    ■News Headline

    PS2,11月29日から2万9,800円に値下げ [ZDnet]

     やはり、というか当然、というべき値下げです。ギリギリまで情報を隠していたのは、値下げ待ちによる買い控えを防止する販売戦略として当然ですが、人情面から見ると不誠実です。値下げ発表直前にソフマップでPS2を買っていた親子連れに、申し訳なさそうな顔で何も言わずにPS2を売っていた店員さん、という情景を思い出して、ちょっと切なくなりました。商売とはいえ、世知辛い世の中だねぇ…

     今回の値下げには危機意識という意味合いはありません。ゲームキューブは完全に出遅れているし、Xboxは海とも山とも知れない存在である。SCEにしてみれば、張り合うのも馬鹿馬鹿しい。約2年で1万円の値下げ、というのはセガとの激烈な競争を繰り広げていたPS時代に比べれば手ぬるいとすら言えます。あくまでマイペース値下げです。今後は「FF11」が出るタイミングで、HDD内蔵型モデルが出る可能性はあるが、直接的なプライスダウンは当分ないでしょう。買うのを躊躇していた人は、とりあず買っておいても損はしないと思いますよ。

     

    「Badtrans.B」駆除・修復ツールを公開 [トレンドマイクロ]

     現在猛威を振るっているコンピュータウイルス「Badtrans.B」ですが、皆さん対応は万全ですか?このウイルスは、先日世を騒がせた「W32/Aliz」や「Nimda」などと同様に、InternetExplorerの既知のセキュリティーホールを利用したウィルスで、メールの添付ファイルを介して感染する。ファイル名は「HUMOR」や「S3MSONG」などランダムで選ばれるが、最初の拡張子が「.MP3」や「.DOC」となっており、最後の拡張子は「.pif」か「.scr」の何れかとなる。また、件名欄には「Re:」と表示されていることが多い。OutlookやOutlookExpressを利用している場合、メールを開封するか、もしくはプレビューしただけで感染してしまう。対策としては、「InternetExplorer 5.01/5.5」を利用している場合、必ずSP2を適用しなければならない。また、InternetExlorer 6 を利用している人も、最小構成インストールをしている人は感染の対象になってしまいます。油断せずにWindows Update でこまめにバージョンアップしましょうね。

     実際にウイルスに感染しているかどうかが分かりにくいのが、この種類のウイルスの厄介なところです。それと、なぜ私が利用している米マイクロソフトから入手したIE6のセキュリティパッチは、日本のWindows Update では更新対象になっていないのだろう?IE6でも感染の恐れのあるウイルスが現に存在し、そしてその対策パッチが完成しているというのに、なぜ配付しない? 確かに、やたらと何度も修正ファイルを出すのは、製品の脆弱性を自ら証明しているようなものであり、信用問題に関わるのかもしれないが、ウイルスに感染して困るのは、私達一般ユーザーなのである。セキュリティを売り物にしているWindows XP でも、もしウイルス騒動が起きたら、マイクロソフトはその責任を負う義務があると思うのだが…

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    ■mini Review

    【魔法陣グルグル(14)】 衛藤ヒロユキ/エニックス/月刊少年ガンガン

     連載本誌のガンガンを読まなくなって久しいのですが、あいかわらずこの漫画はすげぇ。相変わらず変なオヤジとジジイが妙なテンションで華(?)を添え、とても人前では読めません。はぁ〜キタキタ。まったりメルヒェン、かっぽれコメディ。このギャップが堪らない!

     

    【黒猫と月気球をめぐる冒険】 堀江由衣/キングレコード

     最初聴いた時は、あまりの期待の大きさゆえに「がっくし」ときたのですが、レビュー用に何度も聴いているうちに印象が変わってきました。意外なことに、何度も聴けるのです。いや、言葉の上では当たり前のことなのですが、実際にはそうでもなかったりします。CD1枚を通して何気なしに聴かせる事ができる「耳障りの良さ」があるのです。私は声優としての堀江由衣をそれほど好きではありませんし、歌手としてもそれほど評価はしていません。妙に可愛いアイドル声優という認識しかありませんでした。ですが、この1枚で変わるかも知れません。この続きは、12月15日発行の月刊GM研12月・1月合併号にて!

     

    【もっと!モット!ときめき2001】 神田朱未(牧原優紀子)/KME

     「ときメモ3」のメインヒロイン「牧原優紀子」役の声優:神田朱未さんが歌う、ときメモ恒例の「もっと!モット!ときめき」を収録したシングルCDですが…びっくりしました。いや、悪い意味で。あまりの下手さ加減にね。…なぜ主題歌をZARDに依頼したのか、ちょっとだけ理解できました。あの歌唱力ではとてもじゃないが主題歌は任せられないわなぁ…声優の知識に乏しい私ですが、歌唱力を5段階評価すれば「2」「中の下」といったところでしょうか?「1」で金月真美、「2」で野田順子というように、アーティストの可能性を秘めた新人を起用してきただけに、今回の失望はより大きなものになりました。あぁ、メモ3の期待値がどんどん下がっていくよ〜(悲)

     

    【幼年期の終わりに。】 サークル:チキンなげっと/著者:大羽なお

     10月25日のBNL(Brand New Leaf)発行の大羽なおさんの同人最新刊。1週間遅れで虎の穴で入手しました。今回は「こみっくパーティー」のDC版新キャラ「御影すばる」本。いつもながら、大羽さんの心象描写は見事すぎます。しかも今回の独白は主人公の和樹自身であり、あらゆる面で新鮮でした。曲がりなりにも私も同人誌作家の端くれですので、「誰のために描くのか」というテーマはいたく心に響きました。それと、今回の本は商業誌の締切りと重なったらしく、巻末の奥付のフォーマットが昔のものだったり、あとがきがながなかったり…といろいろありますが、もしかして冬コミでは改訂版が?

    この本のあとがきは、11/30の大羽さん日記まで。

     

    【真琴であう〜っ】 サークル:突起物/著者:げろたん

     いつか書こう書こうと思いつつ機会を逃していた、サークル:突起物の「げろたん」さんの新刊同人誌。今回は真琴中心で、これでもかと言わんばかりに真琴LOVE全壊(誤植じゃないよ)です! 実はこのシリーズはどう評価したら良いものか、ずっと悩んでいたんです。理屈抜きで可愛くディフォルメされたキャラクターと、こっ恥ずかしいまでにラブリー(死語)なネタの数々…良いものはイイ!で済ませていてはレビューにはなりません。でも、週刊と月刊ではスタンスが違うから、まぁいいや。入稿明けで疲れきった精神には良い癒しになりました。

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    ■COLUMN

    【こっそり下方修正?】 

     最近ネットニュースでやたらと見かけるのが、ゲーム会社の決算見通し報告である。やれ赤字転落だの黒字回復だの、できもしない数値目標を掲げてみたり、株価対策として守れもしないスケジュールで新作をタイトルだけ発表してみたり…はっきり言って鬱陶しいです。儲かっているかどうかなんて、ユーザーの知ったことではありません。私のような情報分析マニアにとっては、こうやって情報が公開されることは望ましいことですが、反面知りすぎてあらぬ心配に悩んでしまったりします。不景気な話題ばかりが並ぶのは、やはり気が滅入りますしね。

     さて、そんな中で興味深い報告が2件ありました。それは、「ときメモ3」の目標本数が下方修正されたことと、「FF11」のプレイオンラインの損益分岐点が下方修正されたことです。

     「ときメモ3」の販売目標は50万本と設定されていました。しかし、ここに来てトーンダウン。目標を40万本に修正しました。これでも十分すぎるくらい大それた目標だと思いますけどね。私の予想では、思いっきり甘く見積もっても35万本。シビアに行くと25万本前後止まり。最初の週で15万本くらいが動くだろうけど、ギャルゲー特有の販売曲線に照らし合わせると、1月の終わりにはファミ通トップ30からも姿を消すでしょう。もっとも、このご時世では25万本でも実質的勝利なんでしょうけどね。ときメモファンドで7億円集めているし、むしろ売れすぎない方が配当が下がってコナミは嬉しいかも?

     そして、FF11の核となる専用ネットターミナル「プレイオンライン」の会員数の損益分岐点が下方修正された件について。スクウェアは損益分岐点を20万人に引き下げました。FFに先行してネットRPGを成功させた「ファンタシースターオンライン」が35万本以上の販売を記録したことを考慮すれば、これは相当な弱気な発言です。やはり、ベータ版モニター募集すら満足に集まらない非常事態に及び腰になっているのだろう(誰が総額5万円近い金を出してまで人柱になるか!)。私の学生時代の友人も相当なFFファンですが、すでに目はFFTの松野さんが製作中の「FF12」に向かっています。今回、FFは100万本割れという歴史的な敗北を喫することでしょう。

     さて、私は事あるごとに今回取り上げた2本のゲームをケチョンケチョンに叩いているが、別に私は憎くて言っているわけではない。自分が好きなゲームシリーズが迷走しているのを見ていられないだけです。嫌いなら話題にすらしません。お金をかけて大作を作れるということは非常に恵まれたことです。そして、それに比例してユーザーの期待も大きくなるのです。これに応えつづけること。それが大作ゲームの使命です。継続と変革を同時に求められる。これほど難しいエンターテイメント産業は他にはありません。

     「興亡は一瞬、芸術は永遠」と、ナルサス軍師も言っていました。ゲームは未だに一瞬の只中にあり、永遠など何処にもありえません。飽和しきった市場、エスカレートした刺激の果てに退廃していく表現、細分化して言語としての意味を無くしていくゲームの価値観… このままゲームは死んでしまうのか?

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    文責:GM研編集部編集長 gonta

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