Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.23
2001/11/12


Index
【News Headline】
【mini Review】
  • 漫画
  •  : せんせいのお時間(3)
  • CD
  •  : Tough but Te4nder (野田順子)
  • CD
  •  : トゥルーラブストーリー3ボーカルコレクション
  • 同人誌
  •  : 不似合いな二人
  • 同人誌
  •  : PRAYER
    【COLUMN】

  • ■News Headline

    「FFの轍は踏まず」CG映画制作に取り組むナムコ中村社長、その戦略を語る [日経B2O]

     なかなか目の付け所のいい企画ですね。ナムコがゲームと映画の同時製作をしている「AXIS(アクシス)」について、映画「ファイナルファンタジー」の失敗を踏まえた、ナムコの中村社長とのインタビューが掲載されています。

     ナムコとスクウェアが決定的に違うのは、ナムコには映画会社経営の実績と経験があることである。映画が商売としてどの程度の位置にあるのかを知っているから、制作費を青天井で増額したりはしない。ハリウッド映画と競うつもりも無いし、深すぎるテーマで大上段に構えることもしない。あくまでゲーム本編との相乗広報手段として活用する方針である。ゲーム製作に5億円、映画制作に42億円という格差に少々疑問が残らないわけでもないが…

     私個人としては、映画という表現媒体が必ずしも優れているとは思わない。なぜゲームのトップを走るメーカーがわざわざ終った表現に固執するのか理解できません。そこに敢えて理由を求めるならば、それが如何に無駄な行為であったかを確認することだけである。映画「ファイナルファンタジー」の失敗は、興行成績が悪かったから失敗だったのではない。それを作ろうとしたことそのものが失敗なのだ。会社を危機に陥れてまでして身を持って示してくれたと思えば、坂口氏も少しは救われるだろう。

     ナムコの映画は大きな失敗はしないかもしれないが、大きな成功もないだろう。飽和状態を迎えたゲーム市場は一般非ゲーム層の開拓に躍起になっているが、年とともに離れていく主力ゲーマー層のドーナツ化現象によって市場全体が地盤沈下を起こしている危機になぜ気がつかないのか? 高騰するゲーム制作費に反して、減少を続ける販売本数…本当は新ハード戦争なんてやってる場合じゃないんだけどねぇ…

     

    テクモ「DOA2」著作権侵害でデータ改変ソフト製造業者を提訴 [impress]
    ウェストサイド、テクモとの訴訟について声明文を発表 [impress]

     テクモ株式会社は、同社のプレイステーション 2用格闘ゲーム「デッド オア アライブ2」の著作権を侵害したとして、改変ソフトウェアを製造した株式会社ウエストサイドを11月7日に提訴した。  提訴の内容は、「デッド オア アライブ2」のキャラクタのコスチューム制御データを独自に改変し、裸体のキャラクタでプレイできるようになるソフトウェアを製造したとして、著作者の創作意図を歪め、著作権を侵害しているというもの。加えて、ウエストサイドが販売したソフトウェアのパッケージに「デッド オア アライブ2」のタイトル名が無断で使用されていることもあげられている。

     テクモからの警告を受けて、ウエストサイドはソフトウェアの回収を行なったが、著作権侵害行為であるとは認めなかった。これに対してテクモは、「ゲームソフトは音や映像などのコンテンツとプログラムを組み合わせたものであり、それをビジネス資産とするゲームソフトメーカーとして容認できる行為ではない。ゲームソフトウェアの著作物としての法的地位を前進させるためにも法的措置をとる」として、今回の提訴に踏み切った。

     この改造ツールの存在自体は、ゲーム発売間もない時期から知っていましたが、なぜ今になってこのように問題にされるのか理解に苦しみます。しかも、この問題に対する両社の見解がまるで違うのが、ある意味では面白い。テクモ側は「キャラクタのコスチューム制御データを独自に改変し、裸体のキャラクタでプレイできるようになるソフトウェアを製造した」と主張しているが、訴えられたウエストサイド側は「裸体データはゲームに組み込まれていたものであり、当社のツールは全コスチュームを使用可能にしただけでありデータの改変には当たらない。そもそも、なぜそんなデータを残したまま発売したのか理解に苦しむ」…というように真っ向から対立している。

     裁判の行方の是非は、テクモのプレスリリースで触れられていたコナミの「ときめきメモリアル」裁判での判例の解釈にある。この判例においては被告が「私的改変については、同一性保持権侵害とはならない」という主張をしなかったために、この点に関する裁判所の判断が未だなされていない。個々のユーザーによる私的改変について、「これを違法に著作者人格権(同一性保持権)を侵害する行為とは捉えない」という学会の多数説の取り扱いが、裁判の焦点になりそうである。

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    ■mini Review

    【せんせいのお時間(3)】 ももせたまみ/竹書房/月刊まんがライフオリジナル

     「ももいろシスターズ」でおなじみの「ももせたまみ」のもうひとつの長期連載。設定はごくありふれた学園4コマだけど、キャラクターの魅力を活かしたネタ作りと、飛ばしまくりのオヤジ臭いダジャレがいい雰囲気を醸し出しています。ネタはリアルなのに本物よりも面白い。この学校面白すぎ!あぁ、4コマ漫画っていいなぁ。設定は動かないけどキャラクターさえ動いていれば楽しいからね。一度掴んだら果てしなく面白くなっていく。それが名作4コマの条件だと思う。本作は自信を持ってオススメできます。

     

    【Tough but Tender】 野田順子/KME/コナミ

     声優:野田順子の2ndアルバム。「ときメモ2」の陽ノ下光:役でブレイクし、「ラブひな」の紺野みつね:役では大阪弁を活かした姉御肌を如何なく発揮。ノリにのっている彼女だが、歌手としてのポテンシャルもなかなかのもの。アップテンポの曲を歌わせれば相当なもの。2ndは全体的に取り立てて名曲は無いけどバランス良く仕上がっていると思う。しかし、なぜこの2ndには「ときメモ2MRO」の主題歌「想い…」が収録されていないのだろう?あれはノダジュン最高の曲だと思うのに…もしかして、声優のキャリアを歌手活動に持ち込みたくないのか?

     

    【トゥルーラブストーリー3 ボーカルコレクション】 ファミ通G/MUSIC/エンターブレイン

     ゲーム発売から半年も経ってからボーカルアルバムですか?ドラマCDに収録されていたボーカル曲を集めただけなのに簿カールアルバムとは片腹痛し。しかも、曲数合わせのために、2曲もカラオケバージョンを収録しているあたりには、哀愁すら感じさせます。ラジオも終わったことだし、これでTLS3のCD展開も打ち止めですか?相変わらずやる気がないですなぁ、我らが親方eb様は… TLS3はこのまま静かにフェードアウトしてしまうのか?本当に続編は出るの?

     

    【不似合いな二人】 サークル:LOVELESS/著者:佐渡悠花

     Kanon本で星の数ほどもある「祐一・舞・佐祐理さん」ものですが、みんながみんな同じような展開でしか描きません。まぁ、それ以外には考えられないし、考えたくないのでしょうけど…それは私も同じです。だからこそ重要になってくるのは書き手の気持ちが見えるかどうかです。作者の本音が見えてしまうのが同人誌の素晴らしさであり、怖さでもあります。佐渡悠花さんの本には技術以外の大切何かを感じさせてくれます。今回の話は続き物なので、続編を心待ちにしたいと思います。

     

    【PRAYER】 サークル:VISTA/著者:オダワラハコネ

     期せずして、またしても「舞・佐祐理さん」本です。上記と同じ理由で、私がこのテーマの本を選ぶ基準は、書き手への信頼感がすべてです。オダワラハコネさんが描く「舞・佐祐理」はよくあるベタベタに幸せなお話ではありませんが、練り込まれた構図で描かれる世界は、舞の不器用な優しさと、佐祐理さんの優しい不器用さに隠された心情を、鉛筆画によってダイレクトに表現しています。

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    ■COLUMN

    【限定版は本当に必要なのか?】 

     最近やたらと「限定版」という文字を目にする。ゲームの限定版は以前からあったが、最近は漫画の単行本の限定版や、DVDボックスの限定版もある。はてには映画の前売り券の限定版まで出る始末。世の中には限定版がありふれている。こんなに溢れていていると「限定」という言葉にありがたみを感じなくなってしまう。基本的に限定版とは、商品に付加価値を付けて数を限定することによって購買意欲を刺激するものであるが、最近は限定と言いつつ限定でないものが多い。「完全予約生産」と銘打ったDVDの限定BOXが普通に売れ残っていたり、初回限定版のゲームが1年後でも新作として再販されていたりもする。これらは「限定版」というよりも「豪華版」として売るべきなのでは?

     でも、本当に限定しすぎて手に入らないというのも困る。日本人は「限定」という言葉に弱い。品薄感を煽る出荷調整戦略は日本の伝統的な手法となっているくらいである。初回分を如何に大量に捌くかが勝負どころのゲーム業界においては、その傾向はより顕著になる。だが、限定版にその値段に見合う価値があるかどうかは疑問が残る。基本的に、限定版に付属するおまけが貴重になればなるほど、実用性は低くなる(というよりももったいなくて使えない)。値段分の価値を実感することは極めて難しい。

     私個人はゲームの限定版が好きである。本当に気に入ったゲームは絶対に売らないし、限定版で価格が高くなってもそれに見合う価値がゲーム本編にあると思っているから気にはならない。限定版の中身に満足することはほとんどないけど、記念と思えば腹も立たない。映画を見に行ってパンフレットを買うのに比べれば、ずっとコストパフォーマンスはいいと思うし。でも、最近はお店独自の特典の方が魅力的だったりします。そのために同じゲームを2本・3本と買う破目になることも…売るほうも売るほうですが、買うほうも買うほうですな(自戒)。

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    文責:GM研編集部編集長 gonta

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