Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.22
2001/11/05


Index
【News Headline】
【mini Review】
  • 漫画
  •  : ななか6/17(4)
  • 漫画
  •  : アジアを喰う
  • 同人誌
  •  : 恋愛候補生
  • 同人誌
  •  : 記憶は忘却のかなたに
    【COLUMN】


    ■News Headline

    アトラスがキャリアソフト全株式取得し子会社化 [GAMESPOT]

     アトラスは,「新生アトラス経営改革プラン」に基づき,コンシューマー事業分野の強化を目的に,キャリアソフトの全株式を取得。子会社化したことを発表した。キャリアソフトは,「ラングリッサー」や「グローランサー」シリーズなどで知られるメーカー。両シリーズや人気イラストレーターを抱えるといったことが,株式取得の理由だという。取得金額は4,000万円。

     メサイヤから独立したはいいけれど、結局また開発会社に成り下がってしまいまいた。アトラスにしてみれば安い買い物です。声優の音声入り目覚し時計付き限定版(萌え萌えラッキーパック)の出る「グローランサーIII」に代表されるように、アトラスのえげつないあこぎな商法によって、すっかりギャルゲー化してしまった同シリーズ。またひとつ、未来の可能性が失われてしまいました。諸行無常なり。

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    ■mini Review

    【ななか6/17(4)】 八神健/秋田書店/週刊少年チャンピオン

     すっかり安定期に入って、安心して読める半面、緊張感が無いなぁ…と思っていたら、最後になってやっぱり「そうきますか」な展開に。べたべたな少女漫画的展開ですけど、私は別にこの漫画にそういう部分を求めていないので気にはなりません。ラブコメにストーリーは本当に必要なのだろうか?そんなものがなくても面白い漫画はいくらでもある。「ななか」はどっちだろう?

     

    【アジアを喰う】 鈴木みそ/双葉社/週刊アクション

     仕事に疲れた漫画家が日本を脱出して402日間のアジア放浪の旅をする…この実話が4年前まで週刊アクションに掲載されていました。しかし、連載は単行本化には全然ページが足りないところで中断(打ち切りではない)してしまいました。その幻の単行本が遂に完成!アジア旅行から実に8年!連載終了から4年!テロが怖くて旅が出来るか!今こそアジアへGO!

     

    【恋愛候補生】 サークル:かつま極楽堂チキンなげっと/著者:かつまれい&大羽なお

     私が敬愛する2人の同人作家様同士の合同本!しかもガンパレ!企画だけでも鼻血モノです。分担は、かつまさんが田辺真紀、大羽さんが石津萌。どちらもご自分の作風に一番マッチしたキャラクターで、持ち味を十二分に発揮しています。合同本は純粋なファンにとっては得てして忌避されるものですが、この本は別格。志のある合同本は1+1を2以上にしてくれます。奇跡の合同本ここに誕生!

     

    【記憶は忘却のかなたに】 サークル:くらっしゅハウス/著者:比良坂真琴

     Cレヴォ30の掘り出し物:その2。偶然手にとったAIR本でしたが、これが思わぬ掘り出し物に。鉛筆書きの繊細な絵柄に加えて、一言もセリフがないのに動きとストーリーを感じさせる説得力があります!これは本編の準備号ということらしいけど、本編もこの芸風でやるのかな?要注目なり。でも、あとがきで「観鈴」を「美鈴」と4箇所も間違えていたりする誤植はかなり痛いですけど…

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    ■COLUMN

    【ファミキング「続編希望スペシャル」の顛末】 

     あーとうとう載ってしまいましたねぇ…ファミ通編集部が読者からゲームの続編希望を集めて、メーカーに直談判するこの企画の謎の1位とは…「Dancing Blade かってに桃天使!」でした。私も予想はしていたんです。でも、信じたくなかった。明らかな組織票です。これを1位として認めてしまうということは、他の名作の立場が無いし、企画そのものが無意味化してしまいます。この件に関して、ファミ通がどのような「手打ち」を行うのか、私はこの2週間注目してきました。

     しかし、事態は最悪の結果となりました。ファミ通は堂々とこれを1位として掲載し、あまつさえ、3795票もの組織票を投じた1人の読者のインタビューコメントまでを誇らしげに掲載。以下に、その全文をご紹介し、雑誌ジャックとも言うべき歴史的蛮行について、徹底的に検証してみたいと思います。雑誌には実名で掲載されていますが、ここでは敢えて匿名にさせていただきます。せめてもの武士の情けです。

     じつは以前、「桃天使!」続編希望の署名をコナミさんに送らせていただいたことがあるんです。わずか2週間足らずで1000人もの署名が集まり、「桃天使!」の根強い人気をあらためて実感しました。ここでもう一度「桃天使!」に対する熱意を示してみようと思いました。「桃天使!」は心の成長を描いた冒険物語で、自己を見つめ、確かな信念を持つようになっていく主人公に共感を覚えました。登場する女の子たちもとても魅力的です。ぜひ続編を出してください。

     群馬県 高校生 ○○○○

    >続編希望の署名をコナミさんに送らせていただいたことがある
    メーカーさんにとってはいい迷惑です。「続編製作はファンの要望次第」という建前を本気で信じているんでしょうか?笑止千万!純粋なのか馬鹿なのか…まぁ、若気のいたりということで、ここまでは勘弁しましょう。

    >わずか2週間足らずで1000人もの署名が集まり
    一体どんな方法で集めたのでしょうか?街頭で署名運動でもしたの?ネットで呼びかけたの?それを明記しなかったのは、ファミ通側の要約ミスなのか、単に彼が書かなかったからなのかは不明ですけどね。それにしても、たった1000人の署名でゲームを作れとは御無体な話である。せめて5万人、5千万円を用意してから出直して来い!(メーカーの本音)

    >ここでもう一度「桃天使!」に対する熱意を示してみようと思いました
    思うのは勝手ですが、公共の場でやらないで下さい。70万人ものファミ通読者が不快な思いをする破目になりました。これは雑誌ジャックという名の公害です。それを嬉々として載せてしまう側にも問題がありますが…

    >「桃天使!」は心の成長を描いた冒険物語で、…
    あのゲームをそういう視点で見れる人がいたんですね(苦笑)。一般的にキャラクターゲーム、キャラに萌えてなんぼのゲームなのでは?(むしろ、そう割り切った方が、この手のゲームは楽しめると思う)

     

     さて、曝し上げはこのくらいにして、この企画へのメーカー全般の反応について分析してみましょう。クリエータ個人としては嬉しい要望だけど、会社としては困った要望みたいです。作られないのには理由があるんです。それを曲げて作ってくれと言うのだから、手ぶらで「作って」とのたまうファミ通の傲慢さというか無謀さには飽きれてしまいます。結局、脈アリなのはチュンソフトの「街」だけで、今後の継続協議にしてもらうのが精一杯でした。とりあえず、今後のアンケート調査「街2製作委員会」には個人的に参加してみます。ついに、次世代研究班が出し渋っていた秘蔵の「アレ」を出す日が来るのかも?

     つづく…(かもしれない)

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    文責:GM研編集部編集長 gonta

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