Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.21
2001/10/29


Index
【News Headline】
【mini Review】
  • 漫画
  •  : ああっ女神さまっ(23)
  • 同人誌
  •  : あずかんな大気
  • 同人誌
  •  : セリオの絵本
    【COLUMN】


    ■News Headline

    ソニーが中期業績を発表,ゲーム部門は黒字転換へ [GAMESPOT]

     莫大なPS2の初期投資をほぼ回収し終えて、「鬼武者」と「GT3」が100万本、「FF10」が200万本売れ、ようやくゲームソフト全体がPS2に移行しつつある。絶好調とは言わないまでも、ゲームキューブの低調とXboxの出遅れという敵なし状態なのだから、黒字になって当たり前である。

     だが、不安要素もないわけではない。さんざん金をかけて宣伝をしたゲーム(リモココロン、蚊、ブラボーミュージックetc)がまるで売れなかったり、ドラクエがゲームキューブに興味を示して見せたりもしている。SCEがスクウェア株を大量取得して事実上の拘束までしたのは焦っているからであろう。ネットゲームがまだビジネスにならないと分かってしまったSCEの戦略転換に引きずられて、スクウェアのプレイ・オンライン構想も修正を余儀なくされることだろう。

     最近ウチのPS2(初期ロット)の調子が悪くなってきた。やっぱり2〜3年で壊れるように設計してあるとしか思えない。おそらく特定部品の耐久性の問題だとは思うが、磨耗消費材だから立証は難しい。えげつない商法である。少しは任天堂ハードの頑強さを見習って欲しいものである。スーファミなんて、多分100年先でも稼動すると思う(バッテリーバックアップ電池は切れているだろうけど、任天堂に送れば交換してくれる…と思うよ。100年後でもね!)

     

    セガ、株安が影響し中間連結最終赤字は200億円に [電撃オンライン]

     セガは23日、9月連結中間決算の予想を修正した。この修正では、故大川功氏から贈与された投資有価証券が株価下落に伴ない目減りしたため、中間損失は当初予定の43億円から200億円となっている。一方、本業のアミューズメント関連は好調で、売上高が820億円から970億円に、経常損益も24億円の赤字から一転し45億円の黒字を確保した。これは、DCの生産中止などの構造改革の成功や、『VF4』などのアーケード部門・ゲームセンター部門が好調だったため。2002年3月通期でも100億円ほどの黒字になる見通しだ。

     額面上は赤字だけど、経営的には黒字に転換。ハード撤退という路線転換が正しい方向に向っていることを実証する結果となった。今後も続々とマルチプラットフォームで展開されるソフト戦略によって、継続的な成長と健全経営が期待できる。その反面、数字を求めすぎてセガ独特の気風、チャレンジャー精神・反骨精神が失われてしまう危険性もある。どうか、株価に一喜一憂することなく、腰を据えたゲームを開発していただきたいものである。

     

    JASRAC、店内BGMへの著作権料課金を開始 [ascii24]

     JASRACは著作権法改正にともなって、録音物の再生演奏および有線音楽放送を店内で流す“公衆送信の伝達”についての管理を2002年4月1日に開始するという。新たに管理の対象になるのは、飲食店や一般の小売店、コンビニエンスストア、百貨店、ホテル、遊園地など、約120万件。この内約90%が、有線音楽放送を利用しているという。ただし、これらを1件1件まわって適法に利用するよう説くのでは、日数と経費がかかり過ぎるため、JASRACでは“元栓”での著作権管理を行なう。つまり、有線音楽放送事業者やBGM用音源の貸し出し事業者が、著作権料を支払うことになる。すでに10月2日に文化庁長官に使用料規定の届け出を行なっており、これによって、90%以上の案件での適法利用が可能になるという。

     1施設あたりの使用料金は、一般の店舗で500m2までが年額6000円、1000m2で1万円、3000m2で2万円など。ホテルなどの宿泊施設では、宿泊定員が100人までが年額6000円、200人までで1万円、300人で2万円などとなっている。また、有線音楽放送事業者などが、すべての顧客のために包括的利用許諾契約を結ぶ場合は、その事業者の前年度の営業収入の100分の1を支払う。ただし、福祉や医療、教育機関、また従業員のみを対象とした事務所や工場などでの利用は、当分の間使用料を免除する。包括的利用許諾契約については2002年度は営業収入の1000分の6とし、2005年度まで段階的に引き上げる。また、レコード店の店内BGMおよび試聴については、レコードのプロモーションであるため、著作権料は発生しない。インターネット上での音楽配信では、試聴の場合は45秒以内であれば、著作権料を免除する。今回のBGMへの課金による著作権料の合計は、約2億5000万円。JASRACでは著作権者に、実績・放送の頻度に応じて分配するとしている。

     世界を代表する音楽利権集団「JASRAC」がまた猛威をふるっています。販売チャンネルに課税を強要し、業者は利用料金に上乗せして課金を払う。黙っていても金が転がり込んでくるのだ。知らず知らずのうちに高い税金を払わされているのだ。少なくとも、その中身については知っておくべきだと思う。そして、JASRACは著作権料分配の評価基準を明確にするべきだ。公平のための権利は公平に運用されなければならないのだから!

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    ■mini Review

    【ああっ女神さまっ(23)】 藤島康介/講談社/月刊アフタヌーン

     23巻ではついに森里蛍一の両親が登場!漫画では普通「家族や身内が後付で出てくるようになったら危ない」という定説があるが、この作品に限っては例外だと思う。物語が「ない」ようで「ある」のが女神さまなので、多分この「桂馬さん編」も、後になって振り返ってみれば無駄ではなかったと思えることでしょう。ネタに困ったわけではなく、描きたいから描いた。それだけのことであり、その自然さが藤島漫画なのですから。

     

    【あずかんな大気】 サークル:ゆーのす通信/著者:ゆーのす

     AIRキャラであずまんが大王。ありがちな組み合わせなので「これ」という作品がなかなか見つからなかったのですが、この作品にはビビビとくるものがありました。原作が2つあるということは、ファン獲得のチャンスが2倍、ネタの量も2倍になるけど、逆にオリジナリティが発揮しにくくなります。表面的なアレンジではなく、両方の作品の本質を深く理解することで自分の一部にしてしまえる人だけが、新しい何かを作ることが出来るのです。それこそが同人誌の醍醐味ですね。

     

    【セリオの絵本】 サークル:おもいで広場/著者:D=code

     Cレヴォ30での最高の掘り出し物!目に付く独特な絵柄の表紙に足を止め「今更セリオですか?」と思いつつも、見本誌をめくってみると…1.5秒で購入を決意。イギリス系の暗い色調の絵本の世界。バイオリン奏者のメイドロボ:セリオが主人公の、ちょっと泣けるイイ話です。ああ、ショートレビューでは上手く説明できません!久しぶりに同人誌で鳥肌が立ちましたよ。もし業者委託されたら是非読んで欲しい逸品です!

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    ■COLUMN

    【フォグの最新作はやっぱり裏街道まっしぐら?】 

     「久遠の絆」が高い評価を受けて一躍有名になった「はず」のゲームメーカー「F・O・G(フォグ)」。だが、その後発売された「風雨来記」はほとんど話題にも上ることも無く、そして、今度の待望の新作「ミッシングパーツ ザ・タンテイストーリーズ」はドリームキャスト??…ここまで来ると、わざとやっているとしか思えないくらい、見事な外しっぷりですね。むしろ気持ちがいいくらいです。現段階の情報では何がウリなのかサッパリわかりませんが、フォグファンとしては注目しないわけにはいきません。…やっぱり「久遠」ような再ブレイクはもうないのかなぁ…(寂)

     

    【ますます離れる気持ち「FF11」】 

     今週のファミ通に、FF11の更なる詳細が載っていましたが、私の気持ちはますます離れていくばかり…FF11はネットワークゲームの壁を何一つとして解決できていない。チャットに重きを置いたスタイルは、誰がそのマナーを啓蒙するのか?半年、1年が経った後でもチャットの会話は成立するのか?PSO(ファンタシースターオンライン)が成功できたのは、DCユーザーにあらかじめプレイヤーの「啓蒙意識」があったからである。「誰もやった事が無いことだから、俺がやってやる!」という気概に支えられたからこそ、初心者でも入り込める環境を作ることが出来た。だが、FF11がやろうとしていることは、ただ器を大きくしただけで何も未来を感じさせてはくれない。ワクワクしない。

     期待が大きかっただけに、失望の大きさも深刻なものとなってしまった。非常に厳しい見方をすれば、FF11は100万本すら達成できないだろう。それでもネットワークRPGの規模としては、当然世界最高の規模になるが、FFのファンは「半分」になってしまうのだ。そこまでしてネットゲームに向う意味がどこにあるのだろうか?これはFFユーザーに対する背信行為と言っても過言ではない。実験をするならば、新規タイトルを起こせばいい。その気概があるならば、私は喜んで人柱になって支援するだろう。経営判断の上でも、クリエータとしても完全に道を誤ったスクウェアこそが、「ファイナルファンタジー(最後の幻想)」だったのでしょう(南無阿弥陀仏)。

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    文責:GM研編集部編集長 gonta

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