Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.17
2001/09/17

■News Headline

【バイオハザード、GCへ独占供給!】 from ZDnet、ファミ通.com

 カプコンの看板タイトル「バイオハザード」シリーズが、今後ニンテンドーゲームキューブ(以下、GC)で独占供給されることが発表された。2002年春に第1作「バイオハザード」のリメイク版発売を皮切りに、新作「バイオハザード0」と「バイオハザード4」もGCのみで発売される。ミリオン確実のビックタイトルの独占に成功した任天堂の高笑いが聞こえてきそうだ。

 ナムコの全方向マルチプラットフォーム戦略と180度異なる、カプコンの今回の独占供給発表の真意は何か? SCEの一人勝ちによる殿様商売に嫌気がさしたとか、PS2ユーザーのゲーム離れを敬遠したとか、いろいろ云われている。それらも少なからず影響しているとは思うがその真相は、独占契約によって有利なサードパーティー契約(事実上のセカンドパーティー契約)を締結することで任天堂と資本・技術提携を結ぶ事と、今後の世界市場での勢力分布を見据えた上での判断であろう。海外市場では確実にGCは過半数を取るだろう。欧米人好みのバイオシリーズを供給するのに一番相応しいハードはどれか?となるとGC以外に選択肢は無い。未開拓のアメリカ特有のファミリーゲーマー(任天堂信者)層を取り込む事に成功すれば、PS以上のセールスも期待できる。

 でも、「あの」カプコンのことだから、結局移植はやるんじゃないかな?ただ単に「一番最初に出るのはGC」という逃げ口上を打ちそうな気がしないでもない。


■Market Research

【ゲームキューブは本当に売れているのか?】

 9月14日、満を持して任天堂が発売した次世代機「ニンテンドーゲームキューブ(以下、GC)」だが、その販売状況は如何に?14日〜16日の間、GM研は極秘裏に日本橋で市場調査を行いました。14日の夕方の7時にソフマップに行ってみると、山積みで余っていました。1時間ほど張っていましたけど、誰もレジにGCをもっていく姿を目撃できませんでした。遠巻きにデモ機を眺める背広姿の大人ゲームファン達はたくさん居たけど、買う気はまったくないようです。(私もその一人ですけどね!)16日の午後でも余裕で店頭在庫があったし、すでに中古屋に新古品が出回っている始末…本当にGCは売れているのか?

 ネットニュースでも秋葉原や新宿の量販店に小規模の行列が出来ている姿が報じられていますが、PS2発売時のフィーバーぶりには遠く及びません。電撃オンラインの記事には笑わせてもらった。さすが秋葉原…業の深い魔界都市だぜ! 冷静に考えれば、あのソフトラインラップでニューハードを買う気になる方がどうかしている。期待感だけでハードを「御祝儀買い」できる人が50万人もいるわけがない。マスコミは「次世代機戦争勃発」と煽っているけど、消費者のマインドを動かすことはできなかった。9月中に初回分を完売させるのも怪しいものである。


■Cross Review Review

【ルイージマンション】

発売日9月14日
悲運のゲームキャラ「ルイージ」が遂に主役に抜擢!持ち前の三流役者ぶりを活かしたビビリっぷりがいい感じ。掃除機でオバケを吸い込むパズルアクションゲーム。操作系は意外と難しいが、感覚に訴えるアクションで操作していて楽しい。謎解きの難易度は絶妙。滑らかかさを越えた暖かい躍動。初めての手触り。新ハード一発目の名に時恥じない任天堂らしい作品といえるだろう。
開発/販売任天堂
機種Gamecube
ジャンルアクション
定価6800円
製作者宮本茂

※今時の子供はルイージのことを知っているのだろうか?


【AIR】

発売日9月20日
言わずと知れたPCギャルゲー業界の覇者keyが贈るビジュアルノベル。圧倒的な音楽演出センスと、深く練られた多段式シナリオにより繊細に描かれるヒロイン達の物語は号泣必至! 移植版の変更点は、声優の音声追加と健全版化。だが、声の演出については演技がフラットで蛇足との評判も。ゲーム性は皆無ですが、そんなものはどうでも良くなってしまう凄みは、家庭用ゲームでは決して味わうことはできません。偏見や先入観を持たずに、一般ゲーマーにもぜひプレーして欲しい至玉の逸品です。
開発/販売key/NEC
インターチャンネル
機種Dreamcast
ジャンルビジュアルノベル
定価6800円
製作者樋上いたる(原画)
折戸伸治(音楽)

※PS2への移植がもしあるなら、是非5.1chサウンドで「鳥の詩」を聞きたい!


【真・三國無双2】

発売日9月20日
一騎当千の三国志の武将達が戦場で暴れまくる3Dアクションゲームの第二弾。更に美しく、更に爽快に正等に進化している…が、前作ほどの目新しさがないとも言える。武器の成長や装備アイテムなどの要素の追加は、まだるっこしいと感じるか、成長を味わうと感じるかで評価が分かれるかも。
開発/販売コーエー
機種Playstation2
ジャンル3Dアクション
定価6800円

※コーエーじゃなければ…


■Pick up this week

【シャレにならないゲーム】  from 週刊ファミ通

 アメリカで発生した同時多発テロ事件の影響で、エースコンバット4のCMが自粛されたり、金曜ロードショーのダイハードが放送中止になったりと余波が広がる中、ファミ通にシャレにならない新作ゲームの記事が載っていた。P208の「ビルバク(角川書店・PS2)」という巨大ビル発破解体パズルゲームである。世界貿易センタービルの崩壊を連想させるこのゲームが、発売延期に追い込まれるのは間違いないだろう。

 このゲームの発想自体は「IQの3D版」という感じであり、普通なら見過ごしてしまう凡ゲーだが、時期が時期だけに悪い意味で注目してしまう。フジテレビや都庁などの実在のビルをダイナマイトで発破解体!…不謹慎ではあるが「ジャンボジェット突撃」とか裏モードがあれば売れるかも?(アメリカに訴えられそうだが…)


文責:GM研編集部編集長 gonta

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