Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.16
2001/09/10

■News Headline

【ナムコのマルチプラットフォーム戦略】 from ドリマガ

 先日ナムコが発表した「ソウルキャリバー2」と「リッジレーサー」の3機種(PS2、GC、Xbox)同時発表:マルチプラットフォーム戦略。その真意は何処にあるのだろうか?ドリマガにソウルキャリバー製作チームのコメントが出ていたので紹介しておこう。まずは現時点で発表されている画面写真が「意外にヘボイ」ことに関しては、『開発サイドからはまだ見せたくないと言われていたけど、ちゃんと「2」を作っているのを知らしめたくて強引に出した。』とのこと。

 今回のナムコのマルチプラットフォーム構想は、単なる全機種移植という意味合いではない。開発段階からハード特性に依存しないということは、企画的にはネットやハードディスクなどのオプション要素を使えないし、プログラム的にも遥かに難度は高くなる。このような苦難の道を敢えて選択するメリットとは、「ユーザーに同じ品質のものを届ける」という安心感を生むためである。次世代機戦争で業界が盛り上がるのは勝手だが、ソフトメーカーにとっては「どのハードと心中するか」という決断を常に迫られるし、消費者にとっても迷惑極まりない話である。金銭的な出費も確かに大きいが、それ以上に痛いのが好きなゲームの続編(移植先)の動向である。しかし、これからはナムコブランドでは悩む必要がない。日本人にとって「安心」に勝るブランドはない!

 任天堂にしてみれば、ナムコのGCへの参入は願ったり叶ったりだが、結局独占はし損ねたのはショックだっただろう。セガもネットワーク接続環境におけるマルチプラットフォーム戦略を推し進めているように、ソフトメーカー主導によってハードの垣根はなくなりつつある。統一ハード実現の日も遠い未来の話ではないかも?


■Market Research

「あずまんが」&「月姫」フィーバー

 9月8日の日本橋は異様な雰囲気に包まれていた。GM研御用達のマンガ専門店「わんだーらんど」には開店前から小行列ができ、虎の穴の同人ゲーム売り場にも列ができていた。これは、それぞれに業界を代表するビックタイトル、マンガ「あずまんが大王3」と同人ゲーム「歌月十夜」の発売によるものである。歌月十夜にいたっては委託販売の初日で完売し、翌日出荷(要するに出荷調整)まで行われる始末だった。

 一般人は知らないと思うので一応解説しておくと、「歌月十夜」というのは、空前の大ヒットを飛ばしている同人ビジュアルノベル「月姫」のファンディスクです。ファンディスクといっても、シナリオ枚数1500枚、イベントCG50枚、新規立ち絵100枚以上を追加。しかもファンから寄せられたCGやSSムービーなども収録。本編同様、そこいらの市販ゲームよりもよっぽど好感の持てるサービス精神満載です。

 「あずまんが大王」は電撃大王という雑誌に連載されている、天然ボケ系のギャグ4コマ漫画です。マニア界からの熱烈な支持によって一躍メジャー漫画になりました。強烈な面白さとかはないんですが、まったりとついつい何度も読んでしまう魔力のような「何か」があります。


■Cross Review Review

【エースコンバット04 シャッタードスカイ】

発売日9月13日
ナムコが世界に誇る戦闘機フライトシミュレーター「エースコンバット」シリーズの最新作。戦闘機の爆音を航空自衛他に協力してもらって録音したり、ストーリー部分のアニメをProductionI.G に発注したりと、あいかわらず細部にわたるこだわりと、ハイセンスなデザインがいい感じ。ただし、シューティングゲームというよりフライトシミュレーターなので、やっぱり戦闘機マニア向けです。
開発/販売ナムコ
機種PS2
ジャンル3Dシューティング
定価6800円
製作者.

※3D酔いするヘッポコゲーマーの私にはとても手は出せません。


■Pick up this week

【「少女ネム」復刻完全版発売決定!】

 全国1万5000人の木崎ひろすけファンの方に朗報です!(いろんな意味でリアルな数字だな…)9月25日にエンターブレインから、あの「少女ネム」の完全版が発行されることになりました!!単行本1巻が出たあとに未完のままの終わってしまったこの作品ですが、今年の3月に木崎氏の死去に伴い多くの読者から再販を望む声が上がり、コミックビーム恒例の上期の締めとなる9月末の再販ラッシュの中で、単行本未収録分を含めた完全版の出版が実現したのです。

 GM研のレビューでも取り上げましたが、絶版のため入手困難だったこの作品ですが、興味を持っている方は是非この機会を逃さずに読んでみてください。おそらく発行部数はあまり多くないので、どうしても欲しい人は書店で予約か注文をした方がいいと思います。


文責:GM研編集部編集長 gonta

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