Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.13
2001/08/20

■News Headline

【ドリマガファンドは実現するか?】 from ドリマガ

 セガの代表取締役最高共同経営責任者:香山氏が、隔週「ドリマガ」を通じてセガファンに「ドリマガファンド」を提案した。これは、ユーザーから要望と資金を集めて、ドリームキャスト用のゲームを作ろうというものである。ちょっと前にコナミがやった「ときめきファンド」は正式な小口証券であり投機対象だったのだが、ドリマガファンドは全然性質が違う。ゲームが何本売れようと1円にもなりません。せいぜいエンディングの出資者リストに名前が載る程度です。要するに「寄付」なのです。

 「セガファンの心意気を試してみたい」という挑発とも取れる香山氏の今回の提案だが、一考の価値はあると思います。例えば、1口2000円の出資者が1万人いたとすると、それだけで2千万円が集まります。しかも100%製品版も購入してくれるので、実質合計5千万近くが保証されているわけです。こんなに健全な利益率のゲームなんて聞いた事ありません。ユーザーにとっても、ちょっと高い限定版のソフトを買う程度の出資で済むので、うまく軌道に乗れば面白いことになりそうです。

 ただ、この企画の最大のネックは、希望するタイトルを選ばなくてはならないことである。自分が望むゲームになら投資も厭わないだろうけど、そうでないものに対しては出資する気になれない。何本もラインを動かすわけにはいかない。それにゲームの開発には時間がかかる。いっそのこと「移植限定・セガ製品限定」とか条件をつけた方がわかりやすくて良いと思うが…

 とりあえず、企画の手応えを計るアンケートをZDnetで行っているので、興味がある人は投票してみましょう。めざせ10万通?!


■Market Research

【脅威の同人ゲーム】

 夏コミ後の日本橋は異様な熱気に包まれる。夏コミに行けなかった者、売り切れで買い逃した者たちが、同人誌委託専門店や中古同人誌屋に群がるのである。今とくに熱いのが、2つの同人ゲームである。Leaf系格闘ゲーム「Queen of Heart」で超大手同人ゲームサークルに登りつめた:渡辺製作所の新作「Party's Breaker」と、マッドなセンス爆発のアドベンチャーゲーム「Kanoso」で伝説を作った:いつものところの新作「Wインパクト」。この2本が飛ぶように売れていた。

 さすがに販売本数ウン万本という化け物サークル。下手な市販PCゲームよりも売れているし、クオリティもとんでもなく高い(必要スペックもおそろしく高度(PentiumIII450Mhz以降、Direct3D必須)だけど)。基本的にLeafとKeyは同人の存在を黙認している。というよりもスタッフ自身が同人活動してたりするくらいだし。だが、ここまで巨大化してしまった市場に対してノータッチという状況がいつまでも続くという保証はまったくない。コナミのように権利や特許を振りかざすことがないよう、願いたいものである。


■Cross Review Review

【Devil May Cry】 from 週刊ファミ通

発売日8月23日
一見すると「バイオ」のように見えるが、中身は全然別物。二丁拳銃をぶっ放し、大剣で敵を斬りまくる、スタイリッシュアクションゲーム。ストーリーの牽引力に少々欠けるらしいが、アクションゲームと割り切れば問題なし。空回りしっぱなしの鬼武者より、よほど潔くて好感が持てるというものだ。
開発/販売カプコン
機種Playstation2
ジャンル3Dアクション
定価6800円
製作者三上真司

【カナリア〜この想いを歌に乗せて〜】 from 週刊ファミ通

発売日8月23日
PCからの移植作。軽音部でバンド活動をしながら女の子と仲良くなるアドベンチャーゲーム。奇跡が起きたり転生したり妹が12人いたり…というようなブッ飛んだ設定も演出もないが、しっとりと日常を描いている。ただしPCゲームにありがちな「読ませる」タイプのゲームなので、ゲーム性を重視する人には向いていないかも。
開発/販売フロントウィング/
NECインターチャンネル
機種Dreamcast
ジャンル恋愛アドベンチャー
定価6800円
製作者.


■Pick up this week

【GBA鉄拳】 ナムコ  発売日未定  from 週刊ファミ通

 なんとゲームボーイアドバンスに鉄拳の移植が決定!キャラクター的には「鉄拳3」の移植なのだが、3Dポリゴンではなく「ポリゴン風」2D仕様になっている。画質はチト荒いが、これは動きを優先させたためであろう。ただ問題なのは、操作系統が謎であること。ファミ通を読んだ限りでは、ボタン2個だけしか使わないように書いてあるが、本来鉄拳は4つボタン。同時押しの投げは?コンボは?疑問だらけである。

 それにしても、携帯ゲーム機でこんなゲームが出るようになるとはすごい世の中だなぁ。ただ綺麗なだけの家庭用ゲームや、ただ気持ち良いだけのアーケードゲームはうかうかしていられないぞ。


文責:GM研編集部編集長 gonta

月刊GM研TOPページに戻る