瞳子ライブラリー
同人誌サークル:マズルカSTEP
 マリア様がみてる  紅薔薇+松平瞳子中心再録集   
作者:藤沢光

(C)2006 マズルカSTEP

「瞳子ライブラリー」とは?

 即売会ではマリみて瞳子等身大ポップでも御馴染みで、読者の間では瞳子サークルと言えば真っ先にその名前が挙がるほど、自他共に認める”瞳子愛”に満ち溢れたサークル:マズルカSTEPさんの、マリみて初期作品を「紅薔薇+松平瞳子」の括りでまとめた再録集その1、それが「瞳子ライブラリー」です。

 2004年〜2005年前半にかけて発行された「特撮リリアン」「残酷なマリア」「レディ瞳子!」の3作品を収録したこの再録集は、その後のマズルカSTEPさんが加速度的に瞳子応援活動に傾注していく始まりになったとも言える内容です。今改めて読み返してみると「ヤキモキして早二年にもなるのか!」と驚くやら、ちょっと複雑な感慨もあったりしますが、この応援本とともに作者も読者も一喜一憂してきた日々を含めて、心のライブラリーと言える作品だと思います。

松平瞳子(わたし)らしく…夢なんかじゃ終わらせない!

 マズルカSTEPさんが描くマリみてパロディの魅力のひとつは、見たもの・感じたものをシンプルにストレートに表現するところにあると思います。まだ瞳子にはまっていない頃でギャグテイスト満載の「特撮リリアン」から、瞳子が祐巳の妹になって欲しいと願った「残酷なマリア」、そして、溢れる想いと願いを形にしていく「Wish」ストーリーへと昇華させるスタイルを確立させた「レディ瞳子!」へ…その一連の流れは、マズルカSTEPさん流瞳子像の成り立ちを雄弁に物語っていると思います。

 たとえ夢オチであろうと、たとえ妄想であろうと…当たらずに砕けるなんて、松平瞳子(わたし)らしくない。「夢なんかじゃ終わらせませんわ!」「私が…祐巳さまを立派な紅薔薇にしてみせます!」と言い切ってみせる瞳子のまっすぐな想いを描いたこの作品は、誰説派とかキャラの垣根なんて全然関係なくて、いつしかきっと誰もが瞳子を応援したくなっていることでしょう。それは、バラ園取材やスコーン作りミルフィーユにはまるなど、作者自身がマリみての世界を心から楽しんでいることが、行間からひしひしと伝わってくるからなのだと思います。

読者の心に残るの1ページ。「おめでとう」を待ちわびて

 この再録集の半年後に発行された「子羊たちの未来予想図」では、今までの「ツン」の反動もあって「デレ」全開で初々しい妄想大爆発の瞳子も可愛すぎです。「もう大丈夫。見失ったりしないよ!」と優しく瞳子を包む祐巳ちゃんには、薔薇様の包容力と貫禄が。瞳子の過去から続いてきた苦悩…仮面を被って演じ続けてきた瞳子にとって、祐巳ちゃんのまっすぐさは自分を映す鏡だった。だから反発した。認めたくなかった。氷のように溶けて消えてしまいたかった…でも、そのままの自分を好きだと言い続けてくれた祐巳ちゃんがいたら、自分は救われたのだ…という瞳子の感謝の言葉に熱いものがこみ上げて来ました。読者の心に残る1ページとは、心からの笑顔で「おめでとう」と祝福ことだと思います。

 ちなみに、公式原作での決着が丸1年以上ついていない寸止め生殺し状態で発行時期の決まっていない「瞳子おめでとう本企画」は、2006年12月現在ですでに60名以上もの執筆者が参加の名乗りを上げる愛されっぷりです。2007年中には名実ともに「おめでとう」と言える日が来ることを願って…今はもう少しだけ、彼女たちの未来予想図の「Wish」を心に思い描きながらその日を楽しみに待ちましょう。



※画像使用許諾:2006/10/21
First written : 2007/03/19

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