True Love Story
Summer Days, and yet... OVA
アニメ発売:ケイエスエス
 恋愛・ドラマ  真夏の恋物語(緋菜中心)  全3巻 
製作:ピクチャーマジック・A-LINE

「True Love Story Summer Days, and yet... OVA」とは?

 初代の御世から「トゥルーラブストーリー(以下、TLS)」を見守ってきた、私のような古株のファンにとっては、最後の最後まで信じ難かったTLS-SのOVAアニメ化でしたが…すみません。やっぱり、夢は夢のままににしといた方が良かったみたいです。一昔前のゲームのOPアニメ程度のクオリティしか出せないOVAって、どういうことですか?アニメ版の主役の楠瀬さんのデザインにも大いに違和感があります(特に、ツインテールの結び目の造形が…)。ドラ○もんのしずかちゃんじゃあるまいし、むやみやたらに真昼間から入浴シーンがこんなに多いのか不思議でならない。主人公・緋菜・弥子、この3人の三角関係(しかも最後にハッピーになるのは緋菜だというのが見え見え)のストーリーで進行しているので、他のヒロインは完璧に脇役です。有森先輩に至っては第1巻ではセリフなしで、1カットしか出てこない始末ですよ!35分で7,800円というのもコストパフォーマンス悪すぎです!しかも、映像特典として収録されている小倉優子コーナーの痛さ加減ときたら…うがぁぁぁ!(獣化)このクオリティで本気で3巻まで出すのは…いろんな意味で辛いと思うぞ。ゲーム版TLS-Sがそこそこ好評で、TLSファンのお腹が満たされている今だからこそ、敢えて厳しく評価しなければならないのですが…

お風呂アニメの次は水着アニメ?

 DVD第2巻の感想をひとことで表現すると…「お風呂アニメの次は水着アニメですか?」です。DVD第1巻の時点では、どうやって全3話でストーリーをまとめようというのか、皆目検討もつきませんでしたが、第2巻では弥子たんエピソードに(なんとなく)決着をつけて、裏でウジウジしていた緋菜ちゃんが主人公を海まつりに誘うことを決意し、主人公も突然、緋菜が幼馴染だったことを思い出す、という展開だったので、どうにかこうにか話はまとまりそうです(ものすごく強引ですけど)。脇役では、単なる電波キャラ扱いされてる篠坂さんとか、メインヒロインの緋菜を差し置いて妙に作画に力の入っている有森先輩とか、疑問を挟む余地は数限りなくいくらでもありますが、最大の疑問はジャケットの作画のクオリティの低さです。新規ファンを惹き付けるパワーがないどころか、古株ファンでも引いてしまいますよ…映像特典「小倉優(以下略)」についてはコメントしたくないので丸ごと割愛。少なくとも、第1巻の映像特典を見てブチ切れそうになった方は、精神衛生上回避した方が賢明かと。ちなみに、第3巻の予告映像を見ていて思ったのは、作画のレベルが多少ナリとですが徐々に上がっていること。若手スタッフのぶっつけ本番でようやく描き慣れてきた頃にシリーズ終了、ということですか?どんなクオリティ管理なんでしょう?質度外視でファン買いしてくれる歴代ファンは、呈のいい実験台なんでしょか?私はレビュアー根性と「毒喰わば皿まで」の精神で最後まで買ってしまいましたが…同じ毒でも致死量とそうでないものとの差はある、ということを身をもって学習させられました。高い授業料でしたけどね…

そして(黒い)伝説へ…

  ツッコミどころは多すぎて何から書けばいいか分かりませんが、その前にちょっとだけあった好意的な部分を書いておきましょう。まず、作画については目に見えて上手くなっています。もっとも、それは始めが見るに耐えないものだった、という意味でもあり、上手くなった頃にはシリーズは終わってるんですけどね…ストーリー的には、強引ながらも上手くまとめたようにも見えますが、この内容の無い話を3巻に渡って続けないと演出できないこと自体に大きな問題があると思います。他のキャラを中途半端な絡みでしか魅力を引き出せないなら、端から登場させなくてもええやん!…と、早くも褒めるべきポイントから外れてしまいましたね。唯一の見所は、花火大会の背景画にこっそりと配置されていた隠しキャラ子さんと、アニメオリジナルの緋菜ちゃんの親友:古内曜子と、美味しい役回りを演じてくれた誠太郎くらいのものです(笑)

 さらに細かくツッコんでみると、神谷さんの昼食が駄目になった下りがまったく説明不足だし、最終巻になって神谷さんが名乗りを挙げるのもどうかと思うし、桐里さんのバナナの皮を剥くスピードが異常に早いし、2巻であれほど気を持たせていた弥子は、あっさりと緋菜に惹かれていく主人公を認めちゃうし、篠坂さんは変な人のまま終わっちゃったし、るり姉はちっともお姉さま肌じゃないし…短い出演時間ならそれなりの演出し方があるはずなのに、「とりあえず脇役もオールキャラで出しとくか」という安直な考え方なんでしょうか?それとも、真剣にやってこの程度しかできなかっただけですか?どうせなら、各キャラごとに各巻50分1本勝負で割り切った構成にすれば、少なくとも薄い内容で3本とも共倒れという最悪の事態だけは避けられたのではなかろうか…いや、もう済んだ事に何を言っても詮無きことよ。一刻も早く忘れられるよう努力いたしましょう。 映像特典のプー(小倉優子)のコーナーは、アンチプー属性の方々にとっては精神衛生上大変よろしくないので、手の届かない場所にお札付で封印してしまいましょう。メディアミックスで儲けたファンの血税で、しょーもない次回作を作りやがりましたら承知いたしませぬのことよ!

First written : 2004/06/11