「風雨来記2」とは? かつて、カメラマンだった父親の成功の足掛かりとなり、母親と出逢った北の大地で笑顔を撮った「最高の一枚」…出版業界の祭典「心光展」にノミネートされた主人公:相馬轍は、その最高の一枚を越えるため、北海道の大地を”アイツ”が残したバイクひとつで駆け回り、自分の目で見聞き肌で感じた旅をホームページ「風雨来記」で伝えていった。「最高の場所」と「最高の一枚」をただひたすら求めたこの旅の中で、かけがえのない人に出会い、ともに夢を追い駆け、そして別れた。 あれから4年…相馬轍は、今も旅から旅の生活を続けていた。あの時の一枚が自分たちにとって最高の一枚だったのかどうかは、今でも分からない。でも、何かが足りなかったら大切な人を失ってしまったんだと思う。求め続けなければ辿り着くことはない…でも、どこにあるのか本当に存在するかさえ分からない…「もっと先へ」「今ではないどこかへ」…轍は旅を続けることに迷いを感じ始めていた。
最高の場所…沖縄の理想郷ニライカナイを求めて 風雨来記の醍醐味と言えば、なんと言ってもその土地の生活・伝統・歴史・文化を、旅人の目線で体験し記者として紹介していく独特のシステムです。風光明媚な実写を多用する”FOG旅情シリーズ”にとって、PS2のグラフィック能力は良く似合っている。よりアニメチックになった絵柄も意外と実写に良く映える。前作は北海道の雄大な大自然だったが、今回は眩いほど光溢れる沖縄が舞台。システム面では、バイク移動が目的地を選ぶだけに簡略化。前作の移動方法は確かにめんどくさかったけど、バイクで旅する感覚をよく現していると思うのだが…カメラマン本来の仕事:WEBコンテストへの取り組みを重視する上では、むしろ必然と言える改変と言えるだろう。また、沖縄の方言(うちなーぐち)がおそろしく本格的すぎて、何を言っているのか分からないセリフが多くて、序盤はかなり混乱すると思います。発音や語感が違いすぎるので馴染みにくいのですが、徐々に何を言っているか意味が分かるようになるから不思議なものです。これも旅の醍醐味なのかもしれませんね。
旅の途中、これから続いて行く未来 風雨来記2の情報はネットに少なすぎるので、たとえ僅かな人のためであってもネタバレはしたくないので、個別シナリオに対するこれ以上の言及は避けますが、今回の作品は泣かせてくれることを前提に臨まない方がいい、とだけ言っておきましょう。前作での主人公は「最高の場所」を見つけるために精一杯の背伸びをしていた。でも、今回は旅の途中で「迷いを振り切る」ための物語だったように思えます。メインヒロインである芹沢暦シナリオで明かされた、「アイツ」こと島田光という永遠の相棒の存在…憧れと嫉妬と、自分が居ていい場所… 上原海琴シナリオでの強く信じ心を震わせる三線唄も、真鶴・天継・テイラーのシナリオでのエケリの轍に対する無限の信頼も…すべては、これから続いて行く未来に向かう決意を現すものでした。
First written : 2006/07/05
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