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週刊GM研 Vol.50
2002/06/08


通巻50号記念号
【特集】
【mini Review】
  • 漫画
  •  : あずまんが大王(4)(完) あずまきよひこ
  • 雑誌
  •  : Moegino Watcher フレッシュサマー特大号 
  • 雑誌
  •  : 週刊ファミ通 vol.705
    【COLUMN】


    ■特集:週刊GM研50号のあゆみ

    【編集総括記】 
     2001年の4月30日に第1号を発行してから、はや14ヶ月、ようやく週刊GM研は通巻50号を迎えました。週刊なら年52回の発行のはずなので計算が合いませんが、これは何回かお休みを戴いているためです。その理由は帰省やコミケ遠征で家を空けるときや、同人誌原稿の追い込みなどの公的(?)な場合もありますが、何回かはネタ切れや締め切りを苦にバックレた事もありました(大謝罪)。

     週刊GM研は毎週土曜日発行と言いながら、実際にアップロードされるのは毎回土曜夜11時頃であり、最近は「23時59分までは土曜日だ!」という悪習慣が身に付いてしまいました。なぜその悪癖がいつまでたっても改善されないのかというと、週刊GM研の編集体系の特殊性にあると思います。ニュース性を重んじる記事の性質上、ギリギリまで粘って情報を収集・吟味しなければならないし、平日は仕事があるので、ミニレビューのネタにするブツを買出しにいけるのは土曜日だけです。「買出し → 読み込み → 原稿執筆」このサイクルは完全に1日がかりなのです。

     私自身は、週刊GM研のことを「ストレス・マガジン」と呼んでいます。ほとんど場合、肯定的でポジティブな立場をとっている正式レビューとは正反対で、週刊GM研の中では人が変わったように、否定的でネガティブで激辛な意見を言いたい放題です。どちらも私の本質なので、どっちがやりやすいという意識はないのですが、ここまで極端だとある意味楽しいです。主観が入りすぎても客観に徹しすぎても、決して真実に近づくことは出来ません。その両者のバランスを保つためにも、両極端を常に意識することはとても重要だと思います。

     もともと、週刊GM研のバックナンバーはサーバー上に放置していたのですが、2002年の3月から正式にバックナンバーへのリンクを作りました。時事ネタがメインなのであまり需要はないと思いますが、 今、改めて読み直してみましたが、いつもギリギリのスケジュールの中で書き捨て感覚で書いているので、内容は完璧に忘れています。ほほぅと我ながら感心する文章は3割くらいですかね。毎回泣き言を言いながら50号書いてきましたが、文章や思考の良い訓練になっていることは確かなようです。暇さえあれば、もっと時間をかけて、継続的に論を展開していきたいのですが…

     本当は、この50号を機に誌面をリニューアルする予定だったのですが、ちょうど同人誌製作の時期と重なってしまったため、新企画を立ち上げるだけの暇も気力ありません。現行の内容では週刊ペースの維持すら危ぶまれます。しばらくはコンテンツを絞った縮小版の発行が続くかと思いますが、どうかご容赦くださいまし。

     次の区切りは100号ですが、果たしてそれまで続いているんでしょうか? 毎回がギリギリなので先のことは分かりませんが、今後ともご愛読の程なにとぞよろしくお願い致します。

    【歴代視聴率調査】 
    week8 60
    week9 76
    week10 66
    week11 91
    week12 47
    week13 41
    week14 53
    week15 62
    week16 35
    week17 46
    week18 60
    week19 54
    week20 85
    week21 53
    week22 102
    week23 42
    week24 71
    week25 55
    week26 85
    week27 118
    week28 60
    week29 363
    week30 85
    week31 119
    week32 97
    week33 103
    week34 81
    week35 128
    week36 91
    week37 84
    week38 89
    week39 83
    week40 102
    week41 101
    week42 115
    week43 73
    week44 54
    week45 103
    week46 49
    week47 50
    week48 42
    week49 40
    ※No.1〜7は集計カウンタを設置していなかったため載せていません。

     毎週発行週に読んでくれている常連さんの数は40前半、レビューがメインの読者のバックナンバー閲覧を含めると80前後、掲載から1ヶ月以降は記事単位の検索エンジンのヒット率次第なので、ヒット数自体はあまりあてになりません。29号が飛び抜けて多いのは、「『筑紫哲哉 ニュース23』がウイルスメールを視聴者に送信 」のニュース記事の中に「BadTrans.B」というキーワードが含まれていたためと、冬コミケ直後の新規問い合わせが多かったためです。

     精神的にもスケジュール的にも週刊GM研の編集作業は非常にキツイですし、直接反響を耳にすることもないので、こうして数字として結果が現れると、とても励みになります。週刊GM研に書いた記事を同人誌の元ネタに使っていただいたこともありました。書き続けていれば、いつか良いこともあるんですねぇ〜


    ■mini Review

    【あずまんが大王(4)(完)】 あずまきよひこ  
     連載終了からわずか3ヶ月… 早くも伝説の4コマ漫画として語られることも多い「あずまんが大王」ですが、これでついに最終巻です。連載本誌の終了時は最終回は寂しいけれど、それ以上に「楽しい3年間をありがとう」という感謝の気持ちで一杯でした。そしてこの最終巻を読み終えた後は、本当に清々しい気持ちになれました。すべてのキャラクターがそれぞれ強烈な個性を発揮して、最後の最後まで飄々と独特の”間”を作り出してくれました。この作品の魅力を文字ベースで表現するのはとても難しいです。今までにない種類の笑いなので比較評価することはできません。レビュアーとしては失格と言われても仕方がないかもしれませんが、この作品だけは読まないと面白さは伝わらないと思います。でも、いくら面白い作品だからといって周囲の人間に強引に薦めるべきではないとも思います。先入観なしで、リラックスした状態で読んでこそ、理屈抜きで楽しめるのですから。レビュアーの存在意義を根本から覆されてしまいましたが、1人の読者として、これからも何百回となく読み返すことになる、決して忘れない作品となることでしょう。

    【Moegino Watcher フレッシュサマー特大号】  コナミ  

     少々意外な気もしますが、ゲーム本編の発売から半年もたって、ようやく公式ファンブックが発売されました。元ファミ通のときメモ番記者:MIDIはらふじ氏が中心となって製作しているので、内容的には「Hibikino Watcher」よりも充実していますが、申し訳程度のおまけCD付きで2381円(税別)という価格は如何なものか? (こんなものを「画期的なインタラクティブCD」と堂々と言われてもなぁ…)

     私も参加していた大阪会場のイベントレポートでは、後部の空席をうまーく誤魔化したアングルの客席写真と、”偽ゆっこ(男)”の痛い写真も載ってます。森田屋すひろさんの同行レポートまんがは面白かったんですけどねぇ… 声優さんには何の怨恨もないので対談も素直に読めるんですけど、メタルユーキとの対談は話が別です。しきりに「ファン」という言葉を多用していて、なんだか当り障りのないインタビューという印象でした。対談は4時間にも及んだそうだから、本当はもっとぶっちゃけた話もあったかもしれないが、上層部の「政治」が働いたんでしょう。

     でも、本当にファンのことを第1に考えるならば、タイピングソフトとかサーカスミニゲームとか出している場合じゃないと思います(事実、売れ行きはサッパリです)。「進化」がときメモの本質だと言うなら、旧作に最新技術をフィードバックして上位機種に移殖するべきだろう(EVS搭載「ときメモ1」とか)。「パワプロ」や「ウイニングイレブン」はファンの声を取り入れてマイナーチェンジをクリア返すことでゲーム性を確実に進化させて不動の地位を築いてきた。ファンが本当に望んでいる物は何なのか?そこに気付かなければ、いずれ凡百のゲームに埋もれてしまうことでしょう。

    【週刊ファミ通 vol.705】  エンターブレイン 

     今週のソフトウェアインプレションは、ファミ通のギャルゲー番記者:キッシー嵐山による「My Merry May」でしたが、前回の無理やり書かされたような「ゼノサーガ」インプレとはうって変わって、ギェルゲーゲーマーの魂に響くような、思わずゲームを買いたくなってしまうような名インプレに仕上がっています。ギリギリの線でネタバレを避けつつ、構造論だけでその気にさせる文章を書けるとは…『餅は餅屋』、プロの凄みを思い知りました。隣のページの「ウイニングイレブン6」のインプレを書いた2年目編集者との差は歴然です。

     裏表紙の「サカつく2002」の広告は「もうすぐ100万人」とおいうキャッチフレーズですが、誇大広告にもほどがあります!実売本数は現状で50万本であって、W杯景気の後押しがあるとは言え、サカつくは俄かサッカーファンには敷居の高すぎるシミュレーションゲームだし、W杯には直接関係が無いゲームなので、特別にバカ売れしているわけでもありません。この景気に便乗して他にもたくさんサッカーゲームが出ましたが、市場ではサッカーゲームとしては初めて100万本の出荷を達成した「ウイニングイレブン6」の1人勝ち状態です(それでもコナミの皮算用をずいぶん下回っているらしい)。まぁ、ユーザーの本音は「試合を観るのに忙しくってサッカーゲームなんかしてる暇がない」というのが実情なのかも。

     ネットの「ファミ通.com」がリニューアルされて、GameWaveStreamという新しいサービスが始まりましたが、1週間で500円という利用料金は高すぎます。「やり込みチャンネル」と「バラエティチャンネル」それぞれ別個に利用料金が発生するという料金形態にも納得がいきません。GameWaveDVDがベースなのでクオリティもたかが知れています。もう1つの新コーナー「TECH GIAN Online」も壁紙は有料(300円)です。GAMESPOTのムービー&壁紙完全無料と比べてしまうと、どうしても見劣りしてしてしまう。ビジネスモデルの再構築が急務か?


    ■COLUMN

    【同人=エロという誤解】 
     1ヶ月ぶりくらいに「とらのあな日本橋店」に行ってみたら、売り場構成が大幅に変わっていて驚きました。今までは一般向け同人誌を3Fで、18禁同人誌を5Fというように分けて販売していたのですが、それが両方3Fにまとめられていました。売り場面積が半分になったのは別に問題ないのですが、問題なのは一般向けと18禁をごちゃまぜに置いていることです。その光景を目の当たりにして、私は眩暈を覚えてしまいました。

     同人誌人口の拡大とともに出店ラッシュで勢いに乗る「とらのあな」ですが、グッズやCD/DVDやPCゲームなどの高付加価値商品に比重を置くようになっている最近の傾向には、私は賛同しかねます。日本橋店は4フロアのうち同人誌売り場は1フロアしかありません。もはや何屋さんなのか良く分かりません。フロアの縮小により、ある程度売れているサークルの本しか露出しなくなったり、商品の回転が速くなって本を買い逃すという危惧もあります。それに、オタクグッズの溢れる店内はますます一般人に近寄りがたいオーラを醸し出していて、日本橋でんでんタウンからも浮きまくっています。

     私はほとんどの場合、とらのあな難波店の一般向けゾーンだけを利用していたので気付きませんでしたが、こうして同じ棚に並べてみると、いかに18禁同人誌が多いか再確認できますね。割合的には「エロ7:一般3」くらいの比率でしょうか? 18禁同人誌は表紙だけでは「それ」と分からないようになっていることが多く、綺麗な表紙に惹かれて手にとって見たらエロエロな同人誌だった…ということは少なくありません。最近は見本誌に関東方式(?)(一部のページのコピーだけを見本に使う)のものが増えてきていて、全ページがチェックできない場合もあり、間違って買ってしまう危険が憂慮されます。

     私も健全な男の子(そろそろオッサンですけど)なので、18禁同人誌の存在自体を否定する気はありません。男の子にとっては究極的に正直かつ潔いファンジンであるとも言えます。一口に「エロ同人」と言っても程度によって何種類にも分かれます。とってつけたようなお話に触手&射精ばっかりの「性欲系」、原作のストーリーの中で必然としてのHシーンを描く「えっち系」、そしてエロ自体がギャグやパロディになっている「エロパロ系」などなど…

     私は、同人誌の世界に実際に踏み込むまでは、同人誌の9割がエロ漫画で人でなしばかりの世界だと思っていました。しかし、実際の割合は市場規模で「エロ6:一般:4」、サークル総数ではむしろ一般向けの方が多いくらいであり、描いている人もいたってまともな人ばかりです(一部の例外をマスコミが報道するから妙な誤解が定着してしまっているだけなのです!)。そもそも、最近の商業誌のエロ漫画の方がよっぽど過激だし、TVドラマの方がよっぽど倫理的にも逝っちゃってます。マスコミの野次馬根性によってどれだけ多くの人が傷つき、そして、どれほど多くの表現の可能性が失われたことか…

     「同人誌=エロ」というレッテルを貼られることによって、同人誌そのものが社会的な偏見を受けているのが実情です。現に、私も身内には一切同人誌活動のことは知らせていません。いい歳こいてオタクなことをやっていることを恥じる気はありませんし、かれこれ20年近くそうやって生きてきたという、それなりの誇りも持っています。元々、同人誌は著作権のグレーゾーンに位置するものなので、「市民権をよこせ」とは言いませんが、業界最大手であるお店が利益を追求するあまり、同人が同人である理由を忘れてしまわないよう願いたいものである。


    文責:GM研編集部編集長 gonta