トゥルーラブは世界いちぃぃぃ!6
同人誌サークル : はプロン団
 web連載  トゥルーラブストーリー  12345、6、7巻 
作者 : エニシング大神

「トラいち6」とは?
(C)2003 はプロン団/エニシング大神

 新作情報もグッズのフォローもありゃしない。開発会社の存続もようとして知れず、しかも、キャラクターデザイナーの松田画伯が家業を継ぐために引退…そんな長くて厳しい冬の時代を経てようやく発売された、TLSシリーズ最新作「True Love Story Summer Days, and yet...(以下、サマーダイエット)」ですが、トゥルラーの皆様はこの新作が発売されるまでの日々をどのように過ごされた事でしょう?

 生粋のTLSファン(トゥルラー)たちは、限りなく願望に近い淡い期待とは裏腹に、これまで裏切られ続けてきた過去から来る、言い知れぬ不安に苛まれていた事でしょう。「トラいち」にもサマーダイエットの新キャラたちが参戦して、トゥルラーたちの不安を代弁するとともに、さらに迷走の度を深めるギャルゲー界に厳しいツッコミをかまして笑い飛ばしてくれます!トゥルラーとセゲいちファンの支持を集めて、トラいち第6弾、ここに降臨す!

愛のある叱咤、野党精神の勝利?

 とかく、ギャルゲーというゲームジャンルは、原画師の名前や発売元などのブランド意識と、信者化された盲信的ファンの数によってヒットの規模が99%確定してしまう非常に閉塞的な市場であり、PC18禁ギャルゲーのマイナーメジャーの多機種移植によって、家庭用ギャルゲーは辛うじて体裁を維持しているのが現状です。そんな苦境の中、TLSのように第4作まで回を重ねる事が出来た家庭用オリジナルのギャルゲーは他には存在しません。時流に流されず逆境にも負けないで、敢えて苦言を呈する事も辞さず率直に声を上げる。そんな熱いファンがいてくれたからこそ、TLSは今日の復活(の兆し)に至る事が出来たのかも知れません。

 「トラいち」は、シリーズ開始当初から一貫して野党的な立場から、逆説的に愛のある叱咤を続けてきましたが、その甲斐あって新刊となるこの「6」では、サークル創設以来初のイベント持込分完売を記録しました! 「語られない真実」を知るが故に、人一倍の自制と客観的視点と内省を自らに課してきた、エニシング大神さんの活動は確実に読者の共感を呼んでいます。まさに継続は力なり!野党精神の勝利と言っていいでしょう!

好況はネタ不足?否!真の戦いはこれからだ!!

 サマーダイエットはトゥルラーたちの間でも概ね好評を博しているようですが、しかし、だからといって、野党的立場から厳しく本家を監視していく志を持ったファンである、トゥルラーたちの存在価値がなくなったわけではありません。むしろ、「次」につなぐための「これから」の大切さを、プロデュースの「ぷ」の字(ぷーの字ではない)も相変わらず分かっちゃいない、杉ポネの大将と海老の髭社長に対して訴え続けていかなくてはなりません。今後、益々「トラいち」のような野党的スタンスで本音を言えることが重要になってくるわけです。

 現実に、サマーダイエットの実売本数は前作「3」の半分の約15,000本に止まり、TLSの悪しき因習である「実売本数半減期の法則」をまたしても覆す事が出来なかったのですから。「3」の時のような過剰出荷と値崩れを恐れて出荷本数を絞りすぎたため、特典をつけた都市部の量販店では早々に品切れを起こし、小規模店では入荷さえなかったり予約のリストにも載らない体たらく…初週の動きで勝負の9割方が決まってしまうギャルゲー市場において、この出足の失敗は致命的でした。それに、疑惑だらけのバブリーなサマーキャンペーンといい、手際の悪すぎる先行体験会といい、販促効果のまるでないコースターをばら撒いたり…極めつけは、未だに引っ張る小倉優子(ぷー)ラジオと、OAVの映像特典にまで収録されてしまった、ぷーの字のコーナー…

 まだ噂の域を出ない「ときメモ4」といい、ギャルゲー界の仁義なき抗争は更なる迷走が予想されます。「トラいち」の真の戦いはこれから始まるのかも知れませんね。

※画像使用許諾:2003/08/31
First written : 2003/08/31
Last update : 2003/10/07