ぽかぽかアフター
同人誌サークル:てりやきにくまん
 パロディ  CLANNAD春原兄妹お風呂漫画  18禁 
作者:げろたん

(C)2006 てりやきにくまん/げろたん

「ぽかぽかアフター」とは?

 高校進学のため地元の田舎を数日後に離れることになった兄:春原陽平。まだサッカーをやっていてカッコよかった頃のお話です(超絶バカな性格は昔からですけど…)。実家の風呂を堪能していた陽平が、湯加減を聞いてきたしっかり者の妹:芽衣ちゃんに「一緒に入るか?」と冗談っぽく言うと、芽衣ちゃんは「背中くらい流してあげる」となりゆきで一緒にお風呂に入ることに。「お兄ちゃんだし」と信頼する芽衣ちゃんに対して、相手は子供でしかも妹だと分かっていても、実の妹をエッチな目で見てしまいそうになる自分に激しく動揺する陽平。そんなドキドキお風呂漫画「ぽかぽか」から数日後、いよいよ陽平が実家を離れる前日に、芽衣ちゃんは「一緒にお風呂に入ろっか?最後だし」と申し出る。こうして再び始まったほのぼの兄妹お風呂漫画の続編、それが「ぽかぽかアフター」です。

※「CLANNAD」の後日談的外伝「智代アフター」と掛けて一応18禁指定本となっていますが、これは一般的な意味でのエロという意味での18禁ではなく、微笑ましくてちょっぴりエッチという意味なので、一般オンリー主義の方でも安心してお読みいただけます。

ちょっとだけ危ない兄妹愛

 エロゾーンに突入してしまいそうなギリギリの一線で寸止めすることで、ギャグのオチに緩急をつけることは、微エロを扱う漫画の手法としては特別なものではありませんが、読者がそういう作風を期待して読めるという前提条件があるとないとでは、結果として受ける印象は大きく変わってしまいます。その点では、げろたんさんのほのぼのとした絵柄と、家族のように心の距離が近い過去作品の信頼度の高さがあることで、同じ手法でも全く異なる効果を引き出すことができるのです。

 キャラクターのドキドキ≒読者のドキドキ。この独特の作風が生む演出効果においては、春原陽平という超絶バカキャラとの相性は抜群です。「ちょとだけ危ない兄妹愛」、と段落の表題には書きましたが、彼の存在によってどんなエロでもギャグになると思えてしまうので、一見すると危ないようでいて、実は危なくないのです。読者が抱いてしまう危ない妄想より、むしろ「おっぱいショーック!(エコー付き)」と叫ぶ陽平のバカさ加減を素直に笑えてしまう。それがより一層芽衣ちゃんの可愛さを引き出し、読後の印象はほんわかしたものになる。家族である事の大切さをより身近に感じられる、そんな不思議な魅力がある作品です。

家族である事の大切さをより身近に感じるために

 「てりやきにくまん」のげろたんさんと言えば、お風呂漫画が代名詞(?)になっていますが、これは別にお風呂のシーンがエッチいからというより、そういう場面だからこそお互いの距離の近さのようなもの…幸せの象徴のように感じられるからだと思います。恋人であれ兄妹であれ親子であれ、多少の恥ずかしさはあるけど、それはきっと嬉しい時間。お互いが特別である事を実感できる、とても大切な時間。当人同士であれば別に変なところはないけど、他人目には変なのかもしれない。「ぽかぽかアフター」のラストのオチはそんなツッコミで締められていることで、客観的になれて恥ずかしさが倍増しています。まるで、自分がいけないことをしてるみたいで(^^;

 でも、そんな恥ずかしさがあるからこそ、とても身近な存在=家族である事の大切さをしみじみと感じることが出来るのだと思います。描き手も読み手も、大好きな作品とキャラクターが動機となって生まれるパロディが同人誌なのですから。家族である事の大切さと幸せをより身近に感じて欲しい、そんな逸品です。

※画像使用許諾:2006/02/13
First written : 2006/02/16
Last update : 2006/08/17

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