付和雷堂のメイド本(シリーズタイトルなし)
同人誌サークル : 付和雷堂
 創作  荒唐無稽メイド風雲録  総集編1〜3 
作者 : CYON(ちょん)

「付和雷堂のメイド本」とは?
総集編1 匠 -メイド奉行凱旋- No maid, No life.
(C)1996-2004 付和雷堂/CYON

 かなり辛目だと一部の地域で知られているGM研の同人サークルチェックリストで、初登場にして最高評価の★★★★★(5つ星)を獲得するという快挙を達成したのが、サークル:付和雷堂さんのメイド本です。(※シリーズのタイトルが無いため、便宜上そう表記させていただきました)

 創作系同人誌即売会「コミティア68」のカタログ(ティアズマガジン)のP&R(プッシュ&レビュー)のアピール漫画も描いている方なので、創作系同人を主戦場としている読者の方にはご存知の方も多いかも知れませんね。この漫画を一言で形容すると…「型破りなメイド漫才本」といったところでしょうか?P&Rの漫画とまったく同じノリのツッコミどころ満載のテンポの良いギャグで、果てしなくどこまでもボケ倒してくれます。この不思議な笑いの魅力に心惹かれた方は、是非この本編(?)も読んで欲しいものです。あなたのメイド漫画観が変わってしまうような笑撃が、あったりなかったりするやもよ?

荒唐無稽メイド風雲録 -赤壁は萌えているか- 猛将伝DX

 まずは、登場人物の紹介をしておきましょう。主役は、荒唐無稽(でたらめ)なメイドさん、通称:ぴかちゅう。本名の宙光(そらひかる)を転置した「光宙」を、意訳して「ぴかちゅう」…すごいネーミングセンスですね。お坊っちゃんのオヤツを堂々とつまみ喰いして、仕事を堂々とサボり、色仕掛け(?)でお坊っちゃん(小学生)をからかい、琵琶で世の諸行無常を詠い、必殺料理人の称号を持ち、ロケット花火は百発百中(対人)。特技は兵法と亜空間戦闘で軍師(悪企み専門)として仕え…(←ってなんでやねん!)。紹介文を書くだけでも、思わずツッコミを入れずにはいられない、従来のメイドさんの常識や定義からは、何もかも超越した存在、それがぴかちゅうなのです。

 この家にはもう一人、メガネで三つ編みで従順、時には猫耳装備。萌えのリーサルウェアポンを全て兼ね備えた絵に描いたような、完璧超人メイドさん:ちよりさんもいますが、その常識的な存在によって、ますますぴかちゅうの特異さは際立ってしまい、ぴかちゅうの暴走に巻き込まれてしまいますが、いくらツッコミを入れても止まらない、ぴかちゅうの暴走を笑顔で躱せてしまうこの人は、ある意味最強のキャラなのかも知れませんね。

 本当は一番偉いはずなのに、名前もなくてツッコミ役になってしまう、おぼっ(お坊っちゃんの略)。ぴかちゅうのハイテンションに振り回され続ける、苦労の絶えない小学生です。もっとも、こんなメイドさんが一家に一人いたら、確かに退屈だけはしないでしょうねぇ…(ただし、身の危険と隣り合わせですが…)

お笑いメイド道場 -ワイン女優の忘れたい過去と甘い罠-

 微妙に知的な歴史ネタや、やや斜め上を行くゲーム・アニパロ小ネタが満載で、どこまでもボケ倒してくれる、「お笑いメイド道場」とも言うべき、独特の濃い芸風の魅力が、このシリーズにはあります。なにしろ、ツッコミが入らないコマの方が少ないくらいですから。そもそも、本人(ぴかちゅう)にはボケてる自覚なんてありません。面白ければなんでもアリの人なので、いくらツッコンだところで暴走は止まりません。ツッコミ役のおぼっ同様、読者もハイテンションボケの激流に飲み込まれて笑うしかありません。もはや、その存在自体がボケなのでしょう(※これは、お笑いキャラクターを語る上での最高の褒め言葉です)。

 この胸のトキメキよりも、お腹が痛くなるほどのお笑いを!…従来の「メイドさん萌え」の概念とはまったく違う、このおバカさんなノリとお笑いの世界を、是非お試しあれ!

※レビュー中の表題の悪ノリと、作品本編の内容には何の関係もありません。あしからず。

※画像使用許諾:2004/05/09
First written : 2004/05/13
Last update : 2004/08/17