A.C.E AAA children episode
同人誌サークル:SYSTEM BASIC
 魔法少女リリカルなのは  なのは&フェイトのガチバトル   
作者:龍樹悠太、松乃かねる

(C)2006 SYSTEM BASIC

「A.C.E AAA children episode」とは?

 闇の書事件が解決を迎えた雪の夜道。管理局の仕事を続けて執務官になりたいと進路を語ったフェイトに、なのはは「ちゃんと使いたいんだ、自分の魔法」と答えた。持ち前の戦闘センスを活かして、時空管理局の武装教導官候補生へ…なのはは魔法資質AAAの逸材であり、2つのロストロギア関連事件に協力し解決に導いた実績も申し分ない。だが、戦技だけではなく、命のやりとりをする戦場での気概と信念と覚悟を教える存在としては、弱冠9歳の彼女はあまりにも幼すぎるのではないか…

 そう測りかねている上層部を納得させるため、リンディ提督はなのはの戦闘センスを直に見せるため、実戦による視察を提案した。その対戦相手に名乗りを上げたフェイトに戸惑うなのは。なぜ、また戦わなくてはならないのか…ずっと気持ちは一緒だと思っていたのに…分からないよ… 迷いの中で再び幕を開ける、なのはとフェイトの全力全開真剣バトル。それが、「A.C.E AAA children episode」なのです。

戦わないと言えないホントの気持ち

 なのはから相談を受けたヴィータは、バトルマニアは自分の土俵でしかホントの気持ちを伝えられない…とリーダー(シグナム)に例えて、フェイトとの今回の対戦を評しているが、戦わなければならない理由が何なのか…なのはには分からなかった。戦わなければホントの気持ちを伝えられないのは、結局、自分も同じなのかも知れないから… バトル中にフェイトは語っている。なのははすごい。強くて優しくて、いつも言葉で伝えようとしている。なのはがどんどん強くなって自分を追い抜いてしまったら…力しか無い自分がなのはに負けてしまったら、もうなのはを守れない…自分は要らなくなってしまうから…だから絶対に負けられないんだ!と…

 未来(さき)の事は誰にも分からない。分からないことは怖くて不安で…だからこそ確かなものが欲しいと願う。一緒にいたい、傍を離れたくない。そのためにはもっと強くならなくちゃ…負けられないんだ!勝たなくちゃいけないんだ! 全力砲撃とともに剥き身でぶつけられる強い想い。「なのはの分からずやー!!」「フェイトちゃんのばか−!!」という叫びとともに放たれた最大火力砲のクライマックスには、ココロを震わせる圧倒的な説得力がありました。

ココロの友

 この作品の真骨頂は、なんといっても豪快な全力全開魔法バトルの躍動感と、想像力溢れるアクション描写にあります。初手からして、エクセリオンバスターの火線を強引にねじ曲げた上でキャンセルして、ストライクフレームを起動して斬撃でバリア突貫、ブレイクシュートとバインドとアクセルシューターを同時展開する、手加減なしのデタラメに強烈な殲滅コンボですから。また、カッコ良すぎるオリジナル必殺技の設定にもしびれるものがありました。エナジーカタパルトを起動させたなのはのイクシードラスターと、刀身を分離させたフェイトのボルテックフェンサー…実在の技と見紛うほどイメージを喚起させ衝突の風圧さえ感じるシーンの演出の妙は、同人誌であることを一瞬忘れるほどのものでした。

 そして、このバトルの結末は、なんともなのは「らしい」ものでした。これから続いて行く未来(さき)のことは分からない。だけど、今は…もう何も怖くない。それは、最後のひとこまのカットに集約されていると思います。友と重ねた手は確かなココロの絆だから…なのはとフェイトの強い絆を改めて感じられる、最高の1冊です!

※画像使用許諾:2006/09/04
First written : 2006/09/07

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