monthly PC Review
FinePix50i
種別 : デジタルカメラ
販売元 : FUJIFILM

スペック解説

 1/1.7型スーパーCCDハニカム原色フィルター(総画素数:ハニカム配列の約240万画素、有効画素数:ハニカム配列の約216万画素)による、記録画素数約432万画素撮影。レンズ:スーパーEBCフジノレンズ。フィンダー:実像式光学フィンダー。多段階デジタルズーム1.88倍(最大15倍)。マクロ撮影機能付きオートフォーカス。連射・ベストフレーミング機能。動画撮影(320X240ピクセル)。ボイスレコーディング機能。1.5型11万画素低温ポリシリコンTFT液晶モニター。重量:190g。

 そして本製品最大の特徴はMP3再生機能です。128MBのスマートメディアなら128kbpsで約120分記録できますし、バッテリーも約4時間の再生が可能です。パソコンとの接続USBケーブルは付属してますが、スマートメディアは別売です。音質は他のMP3ウォークマンと比べてもなかなかのものだと思います(エンコードクオリティに大きく依存しますけどね。)

身に付けるというスタイル

 デジカメに詳しい人なら「なぜよりにもよってFinePix?」「MP3再生機能なんて必要ないじゃないか!」と言うことでしょうが、私とてそんなことは百も承知です。私は、この機種が自分のライフスタイルに一番フィットするから選んだのです。画素数やズーム倍率を追い求めるのは虚しいだけですしね。

 そもそも、私には写真を撮るという習慣がまったくない。旅先でたまに写るんですを買うが、使い切るのに1年近くかかったりする。好き嫌いではなく、携帯する習慣がないから撮らない。ただそれだけである。だから、とりあえず「携帯したくなるようなカメラ」が欲しかった。その点、FinePixは携帯音楽プレイヤーとしても使える。サイズも上着のポケットに入るしね。持って歩くこと、そのものが楽しくなる。それがデジカメの本来の面白さというものではなかろうか?

 それと、携帯音楽プレーヤーとしての実力はお世辞にもいいとは言えない。たくさん曲を入れるとそれだけ写真に使える容量が減ってしまう。だから、この際「何十時間再生可能」とか「何百曲保存可能」というスペックは全く意味がない。私の場合は、主に最近買ったシングルCDをMP3化して聴いている。歌というものは覚えるまでが楽しいのであって、聴き始めの数回が一番楽しい。極論すれば、本当にいい曲だったら、その初期段階において何度でも聴きたいという欲求に駆られるはずなのだ。しかし、家のオーディオでは他にもいっぱい曲があるので、注意力が散漫になってしまう。限定された容量により厳選された曲を、今まで音楽のなかった時間でも楽しめる。それは何ものにも代え難い価値なのです。少なくとも、私にとっては。

使用感あれこれ

 わりとお気に入りのデジカメですが、実際に使っていると不満もないわけではありません。やはり光学ズームの3倍くらいは欲しいし、MP3のIDタグが日本語に対応していなかったり、バッテリーが不足気味ですし、コンパクトすぎて手ブレが多いし…

 でも、一番問題なのは、撮影時のイメージとパソコン上に取り込んだときのイメージが全然違うことである。デジカメの液晶では明るく写っているのに、パソコン上で見てみると輝度が全然違う。デジカメ写真は後付でいくらでも修正ができるといっても、これはひどく面倒くさいことだし、「これ!」という正解があるわけでもない。このあたりがイマイチ好きになれない。アナログ写真のように「The Best ONE」を出してくれた方がいい。アナログでは、失敗していたらそれは自分の撮影技量が悪いだけ。デジカメでは修正技術で勝負が決まる。それって、写真の本分から外れているような気がしないでもない。

 でも、おもちゃ感覚としてなら、なかなか楽しい遊び道具だと思う。真剣に写真を撮りたい人には向いていないかもしれないが、写真を身近なものにしてくれるという利点もあるのですから。


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