monthly Game Review
〜Memories Ringing On〜
MROの位置付け
健全恋愛ゲーム界の盟主「ときめきメモリアル」シリーズ恒例の外伝3部作完結編、それが本作「Memories Ringing On(以下、MRO)」です。今回のヒロインは「陽ノ下光」「水無月琴子」「麻生華澄」「佐倉楓子」の4人+全キャラのエピローグエピソード+「ときメモ1」の藤崎詩織と館林見晴のエピソードまで収録してあります。公式正ヒロイン光ちゃんが出演するだけあって、以前の外伝2作品とはシナリオの力の入れ方が全然違います。その上、こっそりとバージョンアップされたEVSシステムのお蔭で、EVSデータを作成しなくても名前を自動的に呼んでくれます。まさに「ときメモ2」の最後を飾るに相応しい、過去と現在と未来を結ぶファンサービスゲームだと言えるでしょう。 ときメモ流「修羅場」 「ときメモラー」にとっては、今作はシナリオのコンセプトだけでも一見の価値があります。何しろ、ときメモ初の「修羅場」が繰り広げられるのですから! 幼馴染のままではいられない(光)… 親友を裏切ることなんて(琴子)… 先生でもお姉さんでもなくて(華澄)… すれ違う想い、溢れ出す想い、激情の平手打ち、唸る鉄拳飛竜拳(これは嘘)。まぁ、修羅場といっても、あくまで「ときメモ」なので、ドロドロした展開にはならなくてホンノリ爽やか路線ですけど。 それにしても、今作の主人公の残酷なまでの鈍感さには腹が立ちました。そういう性格の主人公でないと成り立たない強引なシナリオなんだけど、遊び手として…というより同性として腹が立ちました。あれだけ好き好き光線を向けられていながら、結局何にも気が付かないで、誰かひとりを選ぶこともできず、女の子が都合よく身を引いてくれる…という構図には少々抵抗があります。主人公に自己投影してしまう人にはあまりオススメはできません。 さよなら、ときメモ2 今作をもって「ときメモ2」のゲームでの商品展開は打ち止めです。2次元キャラクターの「ときメモ」もこれで最後です。年末には最先端技術てんこ盛り、3次元キャラクターの「ときメモ3」が出てしまいます。やる前から文句をつけたくは無いのでここでは何も書きませんけど、1つの時代が終ったんだ…と、柄にも無くおセンチに浸ってみたり。「1」と「2」の世界観を結ぶという構想が、最後の最後になってようやく形にすることができたMROは、ときメモラーにとっては本当の意味での卒業作になることでしょう。 ギャルゲー冬の時代の中、わずか2年の寿命ではあったけど、しぶとく盟主の座を守った「2」の実績はそれなりに評価されていいと思います。この2年間のコナミの暴力的な支配戦略によるイメージ悪化は酷いけど、作品自体には罪は無いはずですから。さよなら、ときメモ2…
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