同人音楽の世界 同人音楽の大半はゲーム音楽のアレンジCDなのですが、ごく少数ですが「同人イメージCD」という分野も存在します。「もし、この作品が映像化されたとしたら、こんな音楽がつく(といいな)」と想像して作曲するものであり、これは、作り手にも受け手にも、相当な想像力が必要となる分野です。しかし、もし自分の感性にピッタリのものを見つけることができれば、それは商業オフィシャルのものよりも圧倒的に魅力的な存在になることもある分野でもあります。 今回紹介するのは、週刊ビックコミックスピリッツで連載されていた、高橋しん先生の「最終兵器彼女」の世界観をモチーフにしたイメージサウンドトラックです。とある即売会で衝動買いしたのですが、これが大当たりでした。2曲目のボーカル曲「約束」を聴いたときは、思わず我が耳を疑いましたね。「これが同人??レベル高すぎ!!」伸びやかで儚げな歌声と、抑揚を抑えた静かで寂しいBGMと痛烈かつ悲痛な歌詞が、最終兵器彼女の世界観をよく現しています。いや、もうこれ以外には考えられないほどにベストマッチしています。 最終兵器彼女がアニメ化された時も、私はこの曲以外のイメージを認めることができなかったほどです。もし、商業の論理を超えてこの曲が起用されることでもあれば、あのダメアニメに対する評価は変わっていたかというと…まぁ、そんな気の利いたことが出来るなら他の部分ももっとマシになっていたでしょうけど… 他の曲も非常にレベルが高く、曲順構成も見事であり、 1枚のCDとしての完成度も恐ろしく高いです。同人の音楽サークルの合同企画モノでここまでレベルの高いCDは、同人界宏と言えども、なかなかありませんよ。「最終兵器彼女」ファンには是非聴いてもらいたい逸品です。
Index ジャケットイラスト:みるこみ
曲別1行レビュー
約束 作詞・作曲:片霧烈火 編曲:まにょっ 憶えていられない程 遥か昔の約束
小指を絡ませあった ただそれだけのものだよ
いつかの君の言葉
瞼を閉じれば見える 君の確かな幻
いつかの君の涙
唇に刻んでいた 鮮やかな記憶達は
知らない痛み抱えて 僕はまた生まれていく
First written : 2001/09/01
Last update : 2003/11/03 |