monthly Game Review
サカつく特大号
対応機種 : Dreamcast
販売/開発 : セガ/スマイルビット

サカつくとは?

 「サカつく」とは、サッカークラブ経営シミュレーションゲーム「Jリーグプロサッカークラブをつくろう!」の略称であり、今作からは略称が正式タイトルになってしまったのです。ちょうど「ファミスタ」と同じ現象です。ゲームの目的は、Jリーグに新たに設立したサッカークラブの経営者となって、世界一のクラブを目指すこと。スカウトとして選手を獲得し、トレーナーとして選手を育て、監督として試合を指揮し、経営者として設備投資や年棒交渉を行う…経営シミュレーションでありながら、非常に深く現場に関わることが出来きるのです。これらの要素をシンプルなシステムにまとめた事が受けて、50万本を誇るセガの看板シリーズとして定着しました。

前作との変更点は?

 セガサターン時代に始まったこのシリーズは、これで4作品目となります。今作のタイトルが「特大号」となっているのは、前作のマイナーチェンジ版であるためです。システムやグラフィックはほとんど変えず、データ刷新とユーザービリティ(遊びやすさ)を向上させています。そんなマイナーチェンジ版を5800円で売る事を疑問視する人もいるかも知れないが、しかし、サカつく自体がこれまでシステムを大きく変えたことは一度もなく、これまで全てがマイナーチェンジと言っても過言ではありません。ならば「特大号」は事実上の新作と考えても良いのではないでしょうか?

 今回の新機能はサテライト(2軍)とネットワーク選手交換。サテライト設立によって保有できる選手数が増え、留学や世代交代などの長期クラブ設計ができようになった。また、ネットワーク選手交換によって、レア選手を獲得しやすくなった。どちらもユーザーの要望の高かった機能であり、ユーザーの声を反映したマイナーチェンジのお手本と言ってよいだろう。

 ただし、ネットワーク機能の利用が有料(最初の1ヶ月は無料)なのはいただけない。「ドリム」という専用WEBマネーを購入しなければならない。金額はたいしたことないが、手続きが面倒なのだ。ブラウザにパスワード記憶機能がなので、毎回のログインも面倒。これがドリキャスの限界なのか?

サカつくの魅力とは?

 サカつくはゲームのプロセス的には非常に単純な作業の繰り返しに過ぎません。ゆえに、他人目には「何処がそんなに面白いのか?」と思われてしまいがちです。このゲーム最大の魅力とは、良くも悪くも莫大な時間が必要になることです。「あと1試合だけ」「あと1ヶ月だけ」「今シーズンだけ」…というように、時間を吸い取られてしまうのです。気が付くと50時間100時間は当たり前。とにかく止めどきが見つけなれないのです。やったことがある人にだけ分かる中毒性があるのです。

 このゲームの良いところは、「最強」に辿り着く「正解」というものがないところにあるのかも知れない。自分の好きな選手を集めて「これが真の日本代表だ!」とかやっててもいいし。そういうチームは試合を眺めているだけでも楽しい。自分が苦労して獲得した選手が目論見通り活躍してくれる…これに勝る喜びはない。また、大金をはたいて獲得したスタープレーヤーであっても、チームメイトとの相性が悪ければチームとして機能しないこともある。絶対的な正解は無い。だからこそ理想的な強さの近似値を求めて延々と時間を費やしてしまうのです。

これからのサカつくに望むこと

 サカつくはすでに完成されたゲームである。これまでの新作はすべてマイナーチェンジの繰り返しにすぎない。しかし、その仕組みを一度壊さなければこれ以上の進歩はもう無いだろう。今のセガに看板タイトルを捨てるような冒険を望むのは酷かもしれないが…

 では、何を具体的に変えればいいのだろうか?私の意見としては、選手の取り扱いをもっとシビアにして欲しい。活躍した選手が自らビッククラブへの移籍を望んだり、逆に移籍話をクラブ側から他チームに打診して移籍金ビジネスをしたり…いっそのことクラブ経営ではなく、代表強化委員会を主役にしてみるとか?W杯を誘致(裏工作)したり、監督を更迭したり、マスコミ対策(広報)したり…人事面での面白さを広げてみてはどうだろう?

総論

 サカつくはサッカー好きには辛抱たまらんゲームであると断言します。唯一の欠点はセガのハードでなければ遊べないこと(苦笑)。私はDreamcast本体をこのゲームのためだけに購入しましたが全く後悔していません。でも、ハマリすぎには注意しましょう。


My Team

 シュバルツ大阪  3−5−2  ポストプレイ  ライン

FW水沼貴高原.FW中山野毛
MF中村俊ラモス北澤MFハジラモス北澤
中田浩明神ドゥンガプティ
DF加藤久中澤宮本DF加藤久井原都並
GK若林源GK川口

水沼貴史  10年連続得点王に輝くが、衰えを感じて引退
明神  5年連続MVPに輝くが、年棒高騰(5億円)のため解雇
若林源三  PK職人。W杯優勝は全てこの人のおかげ
宮本  不動のキャプテン。30歳にして突然才能に目覚めた
井原  次期センターDF。荒っぽいのが困りもの
野毛秀樹  架空ファンタスティックプレーヤー。元ネタは野茂英雄?