CD: NO PLAN (内村プロデュース)

 テレビ朝日の深夜枠お笑い番組「内村プロデュース」が思いつきだけで作っちゃったCDアルバム、それが「NO PLAN」です。全21曲65分43秒といっても、ボーカル曲は8曲のみで、あとはネタばかりの構成です。楽曲提供に、宇崎竜童などの有名どころが参加していたりもしますが、本来は芸人さんでしかも非常に短時間でのレコーディングだったようなので、歌唱力には全然期待してはいませんでしたが…TV番組であの空回りしまくりのだらだらした雰囲気の笑いを観るのは好きだけど、どうも内P軍団(三村マサカズ・大竹一樹・ゴルゴ松本・レッド吉田・ふかわりょう)の笑いの種類は音向きじゃないみたいですね。(それはTVお笑いとしては褒め言葉ですが)。でも、音のみの利点を生かした企画「内村自宅実況中継」はファンとしては面白かったし、「前略、露天風呂の上より〜芸人魂の詩〜」の歌詞にはすごいインパクトがあって、楽曲も唄いやすくてノリも良ので、一度聴けば必ず耳に残る名曲だと思います。ファンしか買わないなら突発企画だからアルバムサイズにしたのは賢明な判断かも知れませんが…内Pファン以外にとっては無駄が多いだけと感じてしまうかも…(その無駄そのものが内Pの笑いの真髄だとファンなら理解できるでしょうけど)色モノ企画としては割と良い出来なのでは?

DVD: True Love Story Summer Days, and yet... OVA(2)

 TLS-S公式HPでは、未だに「12月発売予定」のまんまになっているほど、ヤル気がまったく感じられないOVAシリーズ、ようやく第2巻が発売されたのですが…感想を一言で表現すると「お風呂アニメの次は水着アニメですか?」ですかね。第1巻の時点では、どうやって全3話でストーリーをまとめようというのか皆目検討もつきませんでしたが、第2巻で弥子たんメインのルートに(なんとなく)決着をつけて、なんだか裏でうじうじしていた緋菜ちゃんが主人公を海まつりに誘うことを決意し、主人公も突然幼馴染緋菜を思い出す、という展開だったので、どうにかこうにか話はまとまりそうです(ものすごくムリムリですけど)。単なる電波キャラ扱いの篠坂さんとか、妙に作画に力の入っている有森先輩とか、疑問を挟む余地はいくらでもありますが、最大の疑問はジャケットの作画のクオリティの低さです。「月姫」のDVDのように『アニメとは全然関係なくて嘘でもいいから原作の原画さんを起用する』くらいの営業努力をしたらどうなんでしょう?ファンでも引くよ、このクオリティでは…映像特典「小倉優(以下略)」についてはコメントしたくないので丸ごと割愛。少なくとも、第1巻の映像特典を見てブチ切れそうになった方は、健康のため回避した方が賢明かと。ちなみに、第3巻の予告映像を見ていて思ったのは、作画のレベルが多少ナリとですが徐々に上がっているようです。若手スタッフのぶっつけ本番でようやく描き慣れてきた頃にシリーズ終了、ということですか?どんなクオリティ管理なんでしょう?ファン買いする歴代ファンは呈のいい実験台なんですか?

漫画: かってに改蔵かってに研究しやがれBOOK

 週刊少年サンデーの放し飼い自虐系ギャグマンガと呼ばれている「あの」かってに改蔵の公式研究本が出てしまいました。この手の研究本はいわば人気漫画の証とも言えますが、これだけの冊数の単行本が出ているのに、アニメ化もされていないのに研究本が作られるというのは、極めて異例のことだと思います。本の作りも頭が悪い(褒め言葉)くらい気合が入りまくりです。ディープな読者でも全てを把握しきれない小ネタでの元ネタを辞典形式で完全解説(原作では伏字の部分で実名を出すとフォローがとっても大変)…というまともな研究だけで終わらないのが「改蔵」が「改蔵」たる所以。何の脈略もなく武富士CMガール(踊る方ではなくティッシュを配る方の人)のグラビアを載せてインタビューまでしてみたり、作者の久米田先生自ら太宰風のグラビア撮影をしてみたり、単行本巻末の反省文でもお馴染みのいつも通りのキャラクターのインタビューを載せてみたり、本を裏背を左からめくろうとすると下っぱ地丹が、右からめくろうとすると呪いの藁人形が浮き上がる芸の細かさもあったり。ファンなら大満足の特濃な1冊ですが、世間一般的にはギリギリの内容であり、結果としてまた一歩野望(アニメ化)から遠ざかったのかも(笑)。でも、それでこそ改蔵らしいと言えばらしいんですけどね。

雑誌: 週刊ファミ通 1月2日号(vol.785) エンターブレイン

 恒例の「ゲーム業界10大ニュース」には、デジキューブの倒産や企業間合併・買収騒動など暗い話題ばかりが目立ちました。特に、2月に唐突に発表されたものの、うやむやのまま破談になったセガとサミーの合併問題については、つい最近になってサミーがセガ株を買い占めて筆頭株主となり特別顧問をセガに送り込み、事実上サミーグループの傘下に収まることになったわけですが…サミーとの合併が破談になったあの時、小口新社長が上げた「単独自主再建への自信」と気勢は一体なんだったのか?…10大ニュースには上がってはいなかったが、SCE製ソフトの相次ぐ不具合による回収、PSXの発売直前になってのスペックダウンによる予約キャンセルが50%にも上ったとか、次期ソニーグループ社長の座を狙う久多良木氏は株式交換で36億円を懐に納め…ゲーム業界はこのまま巨大資本のマネーゲームの食い物にされてしまうのでしょうか…まったくもってロクな話題がありませんなぁ…

 「桜井政博のゲームについて思うこと」今回のテーマは「お客さんが求めるものを誤解のないように伝えること」。桜井さんが言うところの「見せ方のまずいゲーム」というものが最近急速に増えているような気がします。実名こそ挙げていなかったものの、例えば「ドラッグ・オン・ドラグーン」とか。お話を見せたい(押し付けたい?)ばかりに、遊び手に後ろめたさを感じさせすぎてはいけない。まさにその通りだと思います。では、なぜ最近このように作り手と遊び手の関係にズレが生じてしまった失敗作が増え続けているのか?それは、ゲームの開発というものが大規模大人数の分業システム化されてしまい、ゲームの完成像を開発陣の間で意思統一できなくて、他のセクションから上がってきたものに「NO」と開発内部から言えず、遊び手の声をフィードバックして開発の軌道修正をするような余裕のある工数も組めず…結果として、経営が押し付けた企画と、駄目出しを受けずに際限なくエゴを暴走させてしまう開発、という開発環境が出来上がってしまったわけです。任天堂のように、企画審査にはα版が必須だったり猿楽庁やクラブニンテンドーというクオリティチェック組織を持っていたり、チュンソフトのように50名規模のデバッカー(しかも資格としてチュンソフト作品を遊び倒した経験が必要)を雇ったりするのは、どのメーカーにもできるようなことではありませんが、そうしてクオリティを追求し続けてユーザーの信頼と要望に応え続けてきたメーカーが堅実に生き残っているという事実は、まださして長くも無いゲームの歴史からも証明されています。今、この業界にはゲームだけで遊び育った物言えぬ若い技術者と、専門学校あがりで促成栽培されたかただ昔から業界にいたというだけの「経験者」、そのいずれかとしか思えない人たちが多すぎます。現状を真剣に憂う一部の志のある熟練戦士の奮闘による年に何本かのヒット作と野心作によって、辛うじて体裁を繕っているといますが…彼らが第一線を退いて経営に役割がシフトしていった時、開発現場で指揮判断できる人材が果たしてどれだけいることやら…

Update : 2003/12/20